記事




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そしてその母親は(姦淫など犯してはいない)正直者である。彼らは(人間であるがゆえに)食事を摂っていたのだ。見よ、われら(アッラーのこと)が彼らに対して、いかにみしるしを明らかにするかを。そして見よ、彼らが(真理から反れて)どこに背き去ってしまうかを。(クルアーン5:75)


ムスリムは全ての預言者と使徒を信じます。彼らの内のある者は信じるが、別の者は信じない、といった考えはイスラームにおいて不信仰に陥ることを意味します。アッラー()は仰りました:


アッラーとその使徒たちを信じず、アッラーと彼らの間を分け隔てようとする者たち。そして「私たちは(使徒たちの)これこれの者たちは信じるが、他の者たちは信じない。」などと言って、その(信仰と不信仰)間に道を見出そうとする者たち。彼らこそは真に不信仰者である。そしてわれら(アッラーのこと)は不信仰者たちに対し、屈辱の懲罰を用意しておいたのだ。(クルアーン4:150-151)


尚、最初の使徒はヌーフ(ノア)で、最後の使徒がムハンマド()です。


最後の日への信仰


イスラームでは、この世界での生活がある日終局を迎えるということを信じます。アッラー()はこう仰りました:


かれ(アッラー)の御顔を除く(地上の)万象は滅び去る。(クルアーン55:26)


この信仰には、以下のような要素が含まれます:


1)境界上の生を信じること:境界とは、人が死んでから最後の日を迎えるまでの時間帯を意味します。信仰者はそこにおいて安寧の時を過ごしますが、不信仰者は懲罰を受けます。アッラー()は仰りました:


(それは)彼らが(死後復活の時が来るまで)朝に夕に晒される業火。そして審判の日には、(アッラーが天使たちに


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こう命じられて言われる)「ファラオの一族を最も過酷な懲罰の中に投げ込むのだ。」(クルアーン40: 46)


2)復活を信じること:アッラーは人々を全裸で裸足のまま、そして割礼されていない状態で復活させます。アッラー()は仰りました:


不信仰者たちは、(死後)蘇らされることなどはないと思い込んでいる。言え、「いや、私の主にかけて。あなた方は蘇らされ、(現世での)所業を通達されるのだ。そんなことはアッラーにとって他愛もないことである。」(クルアーン64:7)


3)召集を信じること:アッラーはその日全ての被造物を召集し、現世での行いの清算のために呼び集めます。アッラー()はこう仰りました:


そしてその日われら(アッラーのこと)は山々を動き回らせ、あなたは大地(に秘められた全てのもの)が明らかになるのを見るであろう。そしてわれらは彼らを召集し、誰一人としてそれを免れる者はいない。(クルアーン18:47)


4)その日人は各自ふさわしい位階を与えられ、アッラーの御前に連れて来られるということを信じること: アッラー()は仰っています:


彼らは列を成して、あなたの主の御前に連れて来られる。(アッラーは仰る:)「あなた方は、われら(アッラーのこと)が最初にあなた方を創造したように、われらのもとにやって来た。いや、あなた方は、われらがあなた方に(復活と召集の)約束を定めなかったと思い込んでいたのだ。」(クルアーン18:48)


5)その日人の手足までもが、現世でのその行いを証言するということを信じること:アッラー()は仰りました:


そして地獄の業火までやって来ると、彼らの聴覚と視覚と皮膚は、彼らが(現世で)行っていたところの悪行を証言し始める。(彼らは)自らの皮膚に向かって言う:「どうして


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私たちに不利になる証言をするのだ?」(彼らの皮膚は)言う:「あらゆるものを喋らせることのお出来になるアッラーが、私たちを喋らせられたのです。」かれ(アッラー)はあなた方を最初に創られたお方。そしてあなた方は彼の御許へと還るのだ。またあなた方は(現世において)、あなた方の聴覚と視覚と皮膚があなた方(の悪行)を目撃するのを避けることは出来なかった。そしてアッラーがあなた方の行いをよくご存知でないと、高を括っていたのだ。(クルアーン41:20-22)


6)その日尋問されることを信じること:アッラー()はこう仰りました:


(アッラーは天使たちに言う:)「そして彼らを止めよ。彼らは(現世での所業を)尋問されるのである。」(天使たちは彼らに言う:)「一体どうしたというのか?(現世でそうしていたように)あなた方は(この困難の中で今)助け合わないのか?」いや、(そうすることは出来ない。)その日彼らは完全に降伏しているのだ。(クルアーン37:24)


7)地獄の業火に架けられた橋を渡らされることを信じること:全ての者がそこを渡らされることになります。アッラー()は仰りました:


そしてあなた方は皆地獄(の架け橋)にやって来る。それはあなたの主が必ずご遂行されることなのである。(クルアーン19:71)


8)現世での行いを秤にかけられることを信じること:その日アッラーは人々を清算のために召集し、善行者‐正しい行いや信仰、使徒たちへの信奉などを遵守していた者‐にはそれにふさわしいものでもって報います。そして悪行を行っていた者には、懲罰でもって報いるのです。アッラー()は仰っています:


そしてわれら(アッラーのこと)は審判の日のために公正な秤を設けるゆえ、魂はいかなる不正も被ることがない。そしてからし種一粒ほどの重さ(の行い)でも、われらは提示


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しよう。われらは清算者として完全なのである。(クルアーン21:47)


9)現世での行いの帳簿を受け取ることを信じること:アッラー()は仰りました:


それでその帳簿を右手に受け取る者は、その清算を易しくされるだろう。そして嬉々として(天国の)仲間の所へ向かうであろう。一方帳簿を背後から受け取る者は、その(来世での)破滅を悔いるであろう。それから燃え盛る炎の中に連れて行かれるであろう。(クルアーン84:7-12)


10)人は報いを受けるということを信じること:つまり永遠の来世において、天国か地獄かを与えられるということです。アッラー()はこう仰っています:


啓典の民(ユダヤ教徒とキリスト教徒)とムシュリク(シルク13を犯す者)たちの内で(真実を)隠蔽し認めない者たちは、地獄の業火に永遠に留まることになる。彼らこそは創造物の内でも最悪の者たちなのだ。そして信仰し善行に勤める者たちこそは、創造物の内でも最善の者たちである。彼らのその主の御許での報奨はその下を河川の流れるエデンの園であり、そこに永遠に暮らすのだ。アッラーは彼らにご満悦であり、彼らもまたかれに満悦する。これこそ(現世で)その主を畏れていた者の報いなのだ。(クルアーン98:6-8)


11)預言者の水飲み場14と彼の執り成しを信じること:そして、預言者ムハンマド(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)から伝わるそれ以外の全ての事象について信じることです。


13「シルク」とは、アッラーのみが有する権利や性質において、アッラー以 外の何かを共有させる信仰や行為のことを指します。


14来世においてアッラーが彼に授けた水飲み場のことで、そこから飲んだ 者は永久に渇きを覚えることがないと言われます。


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定命への信仰


ムスリムは、アッラーが全ての物事が存在する以前から、そしてそれらが存在した後のことも全てご存知であられるということを信じます。ゆえにかれはその知識とご意志において、全ての存在を存在せしめたのです。アッラー()は仰りました:


実にわれら(アッラーのこと)は、定命をもって全てのものを創った。(クルアーン54:49)


過去や現在、未来に関わりなく、発生する全ての事象はアッラーの御知識のもとにもたらされます。全てはかれのご意志と裁定に沿っているのです。預言者ムハンマド()はこう言いました:


「しもべは良いことであれ悪いことであれ定命を信じ、また既に起こったことが起こるべくして起こり、起こらなかったことがそもそも起こることにはなっていなかったということを知るまで、信仰したことにはならない。」(アッ=ティルミズィーの伝承)


しかしこの信仰が、人は努力しなければ物事を達成しないという事実と矛盾することはありません。たとえば子供が欲しいのであれば、結婚するなどのある種の物事を行わなければ、その目的を達成出来ません。そして彼がその能力において可能な全てのことを行ったとしても、彼はその目的を叶えることが出来るかもしれませんし、あるいは出来ないかもしれません。これは人が何らかの目標を達成するために行うことのみが、それが実現するための真の理由ではないことを知るためなのです。真の理由とはアッラーのご意志以外の何でもなく、それら目的達成の手段もまたアッラーからの神的裁定によるものなのです。ある時預言者ムハンマド()は、ある者にこう訊ねられました:


「アッラーの使徒よ。私たちは薬をもって治療し、クルアーンでもって魔除けを行いますが、果たしてこれらはアッラーの定命を覆すのでしょうか?」彼は応えました:「それら自体がアッラーの定命の内なのである。」(アル=ハーキムの伝承)


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飢えや渇き、寒さなどもまた定命によるものです。そして人は食物の摂取によって飢えを、飲料の摂取によって渇きを、暖を取ることで寒さを凌ぐことが出来ます。人は飲食や暖を取ることなど、既に定められている物事によって飢えや渇き、寒さなどから身を防ぐことが出来るのです。つまりある種の定命でもって、別の定命を防ぐのです。


そして人間は、可能な限りの手段を尽くしてこの目的を達成するべきですが、このことも定命への信仰の一部と見なされるのです。この信仰により人は、物事がいかなる結末を迎えようとも満足するようになります。また定命への信仰は、ストレスや心配、悲しみなどに代わり、心の平安と精神の安定をもたらします。不安や心配は多くの病の原因となりますが、この信仰はこのような病に治療法と予防法を提供しているのです。アッラー()はこう仰っています:


地上で、そしてあなた方の内に起こるいかなる災難も、それが創造される前にアッ=ラウフ・アル=マフフーズ(護られた碑版)の中に定められていないことはないのである。実にそのようなことはアッラーにとって容易いことなのだ。それはあなた方が過ぎ去ったことに後悔せず、(アッラーが)あなた方に与えられたものにおいて悦に入らないようにするためである。アッラーは全ての自惚れ屋と高慢な者を愛でられない。(クルアーン57:22-23)


定命への信仰は、アッラーがこの宇宙に創造したものの探索や研究へと促します。たとえば病気などの災難は人にその治療法を模索させますし、そしてそれはアッラーがこの宇宙に創造した医療の源泉を探索することによって得られるのです。


またこの信仰により、降りかかった災難の苦しみや、過ぎたことに関しての後悔の念を抑えることが出来ます。財産を失うことは一つの苦難ですが、人がそれによって悲しめば二つの苦難‐つまり災厄による苦難と、悲痛による苦難‐を蒙ったことになります。しかし定命を信じる者はそれが起こるべくして起こったと信じているため、どのような結果になろうともそれを喜んで受け入


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れるものなのです。預言者ムハンマド()はこう言っています:


「アッラーは脆弱な信仰者よりも、強い信仰者を愛でられる。そしてそのいずれも善いのである。あなたを益する行為に熱心であり、かつアッラーのご援助を乞うのだ。そしてそこにおいて怠慢であってはならない。そしていかなる災厄があなたを襲っても、“ああ、もしあのようにしていたらなあ”などとは言わず、“これはアッラーからの定命。かれはお望みのことをなされる”と言うのだ。というのも“もし”は、シャイターン(悪魔)の行いに通じる扉であるからである。」(ムスリムの伝承)


定命への信仰はアッラーへの依存心を高め、被造物に対する恐怖感を取り除きます。教友イブン・アッバース()はこう言いました:


「ある日私はアッラーの使徒(彼にアッラーからの平安と祝福あれ)の後ろにいました。彼は私にこう言いました:


“少年よ。お前にある言葉を教えてやろう。それを心に書き留めて堅守するのだ。そうすればアッラーがお前を護って下さるだろう。アッラー(があなたに命じ禁じられること)を守るのだ。そうすればかれを眼前に見出すであろう。何かを乞うときはアッラーに乞うのだ。そして援助を求める時はアッラーに援助を求めるのだ。そして知るのだ。全ての者があなたを益しようと一丸になっても、アッラーがあなたに対して既にお定めになられたこと以外は何一つあなたを益することがない。また全ての者があなたを害しようと一丸になっても、アッラーがあなたに対して既にお定めになられたこと以外は何一つあなたを害することがない。(定命の)筆は既に置かれ、(それが書き留められる)ページ(のインク)はもう乾いてしまったのである。”」(アフマドとアッ=ティルミズィーの伝承)


定命への信仰とはある種の人たちが考えるように、努力やそのために必要なこともせずに、ただアッラーに頼り切ることではあ


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りません。預言者ムハンマド()はある時、このように尋ねられました:


「私はラクダをつないでアッラーに全てを委ねるべきですか、それともそれを放してアッラーに全てを委ねるべきですか?」彼は言いました:「それをつないでアッラーに全てを委ねよ。」(アッ=ティルミズィーの伝承)


また彼は、こうも言っています:


「私の魂がその御手に委ねられているお方にかけて。外に出かけて木を切り、それを縛って背中に運ぶことの方が、人に物乞いするよりもよいことなのである。それにより、彼が金銭を得るかどうかはまた別の話なのだ。」(アル=ブハーリーの伝承)


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イスラームの使徒とは誰か?


彼の名は、アブドゥッラーの息子、ムハンマドです。彼は最後の使徒であり、アッラー()はこう仰っています:。


ムハンマドは(彼が授かった本当の彼の子でもない)あなた方の内の誰の父親でもない。しかしアッラーの使徒であり、最後の預言者なのだ。(クルアーン33:40)


アッラーは彼をアラブ人に向けて遣わされた訳ではなく、全人類に向けて遣わされました。アッラー()は仰ります:


そしてわれら(アッラーのこと)はあなたを、福音と警告を告げる者として人類全てに向けて遣わした。しかし多くの人々は知らないのだ。(クルアーン34:27-28)


アッラーが彼を全被造物に向けて遣わされたのは、ひとえに彼らに対して真実と善の道を示し、過ちと悪に対して警告を下し、そして真の幸福を達成させるためでした。アッラー()は仰っています:


そしてわれら(アッラーのこと)があなたを遣わしたのは、全世界への慈悲ゆえに他ならない。(クルアーン21:107)


彼は啓示を受ける以前でさえも、人々の間で「信頼高い人」という綽名で呼ばれていました。マッカの人々が旅行でマッカを離れる時には、彼のもとに所持品を託して出かけたものだったのです。彼はまた「誠実な人」とも呼ばれていました。彼は嘘をついたり、インチキをしたり、人を騙したりすることがありませんでした。また彼は、他人に対して常によいことを望むような人物でもありました。


彼が最初に啓示を受けたのは、彼が40歳の時でした。彼は当時の妻、ハディージャ()にそのことに関してこう伝えています:


「私は怖いのだ。」ハディージャは言いました:「いいえ、アッラーにかけて。アッラーはあなたのことを辱められたり


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はしません。あなたは近親の絆を保ち、他人の問題を分かち合い、困窮者には施し、客人にはもてなし、大きな災難の折には人を援助するではないですか。」(アル=ブハーリーの伝承)


彼はその後マッカに13年間留まり、人々をアッラーのみを崇拝することへと招きました。その後彼は、その住民の多くがイスラームを受容したマディーナ(メディナ)へと移住しました。アッラーはそこで彼に、残りの宗教に関する規定を啓示されました。そしてマディーナ移住後8年後にはマッカ解放に成功し、クルアーンが全て下された後、63歳で亡くなりました。こうしてイスラームの法規定は余すことなく啓示されて完全なものとなり、大半のアラブ人はイスラームを受け入れたのです。


ムスリムは、預言者ムハンマド()がその内面においても外面においても、人類の中で最も完璧なお方であったと信じています。


預言者ムハンマド()について言われていること


ドイツの詩人ゲーテは、こう言っています:


「私は、人間にとっての規範を歴史の内に模索した。そしてそれを、ムハンマド()の中に見出したのだ。」


アニー・ベサント15はその著「ムハンマドの人生と教え」の中で、こう述べています:


「そのアラブの偉大な使徒(預言者ムハンマド)の人生と徳を学び、その教えと生き方を知った者は、至上の神の偉大な使徒の一人であるその偉大な使徒に尊敬の意を抱かずにはいられないだろう。そしてどのような分野においてでさえも、私は彼に関して多くの人々に親しみのある多くの事柄を述べることが出来るであろう。私は彼について読めば読むほど、そのアラブ人の偉大な教師に対する新しい讃美の形と、新鮮なる敬意の感覚を覚えるのだ。」


15 イギリスの女性作家・社会運動家(1847-1933年)。


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クルアーンとは何か?


クルアーンとは、天使ジブリール(ガブリエル)がムハンマド()に伝授した、アッラーの御言葉です。


クルアーンは様々な点において、それ以前の啓典とは異なっています。以下にそれを挙げていってみましょう:


1)クルアーンは、最後の啓典です。ゆえにアッラーは最後の日まで、クルアーンを改変から守られるのです。ムスリムはアッラーが、クルアーンをあらゆる改竄や歪曲、付加や損傷などからお守りになる、ということを信じています。アッラー()はこう仰りました:


実にわれら(アッラーのこと)は、訓戒(クルアーン)を下した。そしてわれらはその守護者なのである。(クルアーン15:9)


2)クルアーンの朗唱は崇拝行為の一つと見なされます。そしてそれはまた、アッラーがクルアーンを守護される手段の一つでもあるのです。預言者ムハンマド()はこう言いました:


「クルアーンを朗誦する者は誰でも、十の報奨を得よう。“アリフ・ラーム・ミーム16”は一つの語なのではない。“アリフ”も“ラーム”も“ミーム”も、それぞれ一語なのである。」(アッ=ティルミズィーの伝承)


またクルアーンの暗記も、崇拝行為の一つと見なされます。預言者ムハンマド()はこう言いました:


「クルアーンを全然覚えていない者は、空っぽの家屋のようなものである。」


またクルアーンの重要性を認め、それを教授することもまた、崇拝行為の一つと見なされています。預言者ムハンマド()はこのように言っています:


16 クルアーンの中の一句。3文字からなります。


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「あなた方の内最善の者とは、クルアーンを学んで教える者である。」(アル=ブハーリーの伝承)


3)クルアーンはその実践において、社会を改善し、全人の幸福を保証するあらゆる法規定を包含しています。アッラー()はこう仰りました:


そしてわれら(アッラーのこと)はあなたに、あらゆる物事への解明と正しい導き、そしてムスリムに対しての慈悲と福音ゆえに啓典(クルアーン)を下した。(クルアーン16:89)


4)クルアーンはアーダムから預言者ムハンマド()に至るまで、諸々の使徒や預言者の逸話、彼らとその民の間に起こったことなどを収録しています。


5)クルアーンは全人類に向けて下されました。それは全人が平和と幸福に満たされた人生を送り、そして過ちという闇の中からイスラームの光へと救い出されることが出来るようになるためなのです。アッラー()はこう仰りました:


アリフ・ラーム・ラー17。(これこそは)彼らの主のお許しのもと、人々を闇から光へと、そして偉大かつ讃美すべきお方(アッラーのこと)への道へと救い出すべく、われら(アッラーのこと)があなたに下した啓典である。(クルアーン14:1)


クルアーンについて言われていること:


モーリス・ブカイユ18はその著「クルアーンと近代科学」の中で、こう言っています:


17 クルアーンの章のいくつかは、こうした何個かのアラビア語の組み合わせによって始まります。そしてその真の意味は、アッラーのみがご存知になられます。


18 消火器病学が専門のフランス人医師(1920-1998年)。


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「クルアーンを、近代的な知識に照らし合わせつつ完全なる客観性をもって調査してみると、それらの二つのこと(クルアーンの内容と科学的事実)における一致という認識に到達する。そしてこのことは、今までにも繰り返し述べられてきたことなのだ。ムハンマドの時代における知識的状況を鑑みれば、その時代の者がこのような言説の創作者とは到底考えられない。そしてこのような観点における思索は、クルアーンの啓示にユニークな地位を与えることに供与している。偏見に汚されてはいない科学者は、そのことに関する物質的論証において自分自身の無力さを認めざるを得ないのだ。」


イスラームと学問


イスラームという宗教は、学問とその追求を奨励しています。そして無知を非難し、それに警告を放っているのです。アッラー()は仰りました:


言え、「一体知っている者と知らない者は等しいというのか?」実に訓戒を受け入れるのは、理知を備えた者たちだけである。(クルアーン39:9)


また、アッラー()はこうも仰っています:


アッラーは、あなた方の内で信仰する者たちと知識を与えられた者の位階を上げられる。(クルアーン58:11)


またイスラームは、知識の収集を強く勧めています。アッラー()は仰りました:


そして言え、「主よ、私の知識をお増やし下さい。」(クルアーン20:114)


またイスラームは学者に敬意を払い、彼らの権利を守ります。預言者ムハンマド()は彼らの地位に関し、こう言いました:


「年長者を敬わない者と年少者を慈しまない者、そして学者に敬意を払わない者は私たちの内の者ではない。」(アッ=ティルミズィーの伝承)


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また知識の追求と、その教授及び学習は、天国へと至る道とまで形容されています。預言者ムハンマド()はこう言いました:


「知識を求めて道行く者は、アッラーが彼に天国への道を易しくして下さるであろう。天使たちは知識を求める者を喜び、その翼を彼らの上に垂らすのだ。そして天地にある全てのもの‐水の中の魚でさえ‐は、学者の罪の赦しを乞うのである。崇拝行為に没頭する者に対する学者の卓越性というものは、ちょうど星々に対する満月の際立った明るさに等しい。実に、学者とは使徒の相続者なのである。使徒は相続するような財産を残しはしないが、知識を後に残すのだ。ゆえにそれを身に付ける者には、偉大な取り分があろう。」(イブン・ヒッバーンによる伝承)


イスラームと富


イスラームにおいて財産とは、人間に託されたアッラーの所有物です。それは一つの信託であり、ゆえに財産は合法的手段において稼がれ、費やされなければなりません。預言者ムハンマド()はこう言っています:


「しもべは審判の日、以下の事柄について審査されるまでは、歩を進ませることが出来ない:彼の時間と、彼がそれをいかに費やしたか。彼の知識と、彼がそれでもって何をなしたか。また彼の財産と、彼がそれをいかに稼ぎ、いかに費やしたか。そして彼の若さと、彼がそれをいかに過ごしたか。」(アッ=ティルミズィーによる伝承)


イスラームは、人が自分自身とその扶養すべき者たちを養うため、そして現世的諸事において堅固であるために、財産を求めることを奨励しています。また財産を有益なことに費やせば、アッラーからの報奨を得る一手段ともなり得ます。預言者ムハンマド()はこう言いました:


「アッラーは脆弱な信仰者よりも、強い信仰者を愛でられる。そしてそのいずれも善いのである。あなたを益する行為に熱


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心であり、かつアッラーのご援助を乞うのだ。そしてそこにおいて怠慢であってはならない。そしていかなる災厄があなたを襲っても、“ああ、もしあのようにしていたらなあ”などとは言わず、“これはアッラーからの定命。かれはお望みのことをなされる”と言うのだ。というのも“もし”は、悪魔の行いに通じる扉であるからである。」(ムスリムの伝承)


また財産に関しては、ザカー(義務の浄財)という義務の他にも、いくつかの義務があります。たとえば、ムスリムは財産によって現世と来世において自分自身を益しなければなりません。アッラー()はこう仰ります:


「そしてアッラーがあなたに授けられたものでもって、来世を乞い求めなさい。しかし現世におけるあなたの分け前も忘れてはなりません。アッラーがあなたによくされたように、あなたもよい行いをするのです。地上で腐敗を働いてはなりません。実にアッラーは腐敗を働く者を厭われます。」(クルアーン28:77)


また預言者ムハンマド()はこう言っています:


「正しい者に所有される穢れなき財産の、何と素晴らしいことか!」(イブン・ヒッバーンによる伝承)


またイスラームは、財産の浪費を禁じています。アッラー()は仰りました:


そして近親の者と恵まれない者と旅人に、施すのだ。しかし浪費するのではない。実に浪費する者はシャイターン(悪魔)の同胞であり、そしてシャイターンはその主に対してこの上なく恩知らずなのであるから。(クルアーン17:26-27)


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終わりに


私はこの小冊子を著するにあたり可能な限りの簡潔さを心がけたつもりなので、多くの詳細には立ち入りませんでした。私のささやかな願いは、この小冊子が大まかなイスラーム理解の一助となり、またイスラームについて更に学ぼうする人たちの鍵となることです。そして私は特に、イスラームの信徒ではなく、それを有益な宗教とも見なしてはいないような人たちにそうなって頂きたいと思っています。というのもそのような人たちはイスラームの敵による誤った情報を鵜呑みにしているのであり、そしてこのような敵は警告されなければならないからです。またこの小冊子は、真の幸福と成功がイスラームという教えを受容し、それを実践することにかかっているということを知らない人々へのものでもあります。私はこのような人々に対し、単に他人の意見を受容し、他人の欲望のために自らの運命を売ったりはしないように諫言したいと思います。アッラー()はこう仰っています:


そしてもしあなたが地上にいる大半の者に従えば、彼らはあなたをアッラーの道から迷い去らせてしまうであろう。彼らは(誤った)憶測に従っているに他ならない。彼らは虚言を吐いているのだ。(クルアーン6:116)


この世で人々が追従しているものは、審判の日には真っ先にその追随者を否認するような類のものであるかもしれません。アッラー()はこう仰ります:


その時、追従されていた者たちは、追随していた者たちを見捨てる。そして(いずれの者たちも地獄の)懲罰を目の当たりにし、(そこから救われるための全ての)手段は断ち切られる。(クルアーン2:166)


ゆえに可能な限り自分自身の考えに依拠し、アッラーが授けて下さった知性を用いて物事を推し量り、真実と虚偽を見極めて頂きたいと思います。そして偏った視点を捨て、何かを盲目に踏襲することはお避け下さい。アッラー()はこう仰っています:


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そして「来なさい。そしてアッラーが下されたものと、使徒に従うのだ」と言われれば、彼らはこう言う:「私たちには、私たちの父祖の伝統だけで十分である。」彼らの父祖は何も知らなければ、正しく導かれてもいなかったではないか? (クルアーン5:104)


望む者にはチャンスがあるでしょう。しかし真のイスラームの姿を紹介してくれる、適切な情報源を選んで下さい。イスラームに従っている、と主張する者全てがムスリムなわけではありません。またイスラーム的である、と主張する書物の全てが真のイスラームの姿を描写しているとも限りません。ゆえにイスラームを学ぶにあたっては、適切かつ有効な情報源をお選び下さい。預言者ムハンマド()はこう言っています:


「ユダヤ教徒は71の宗派に、キリスト教徒は72の宗派に、そしてわが共同体は73の宗派に分かれる。そしてただ一つの集団を除いては、皆地獄の徒となるのである。」そこで人々は言いました:「アッラーの使徒よ、その集団とは?」彼は答えて言いました:「私と私の教友がそうであったようなところの者たちである。」


イスラームについて更に多くのことを学ぼうとされる方は、この小冊子の最後にあるイスラーム組織にご連絡下さい。


アッラーこそが全てをご存知であられます。そしてアッラーが、預言者ムハンマド()とその一族とその教友たちの誉れを称揚され、また彼らをあらゆる中傷や汚名からお守り下さいますよう。






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