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SURA 44.煙霧章 〔アッ・ドハーン〕


慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において。


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1.ハー・ミーム。


2.(事物を)明瞭にする,この啓典にかけて(誓う)。


3.本当にわれは,祝福された夜,これを下して,(悪に対して不断に)警告を与え(ようとす)


るものであろ。


4.その(夜)には,英知に就いて凡ての事が明確にされる。


5.わが許からの命令である。本当にわれが何時も使徒を)遣わすのは,


6.あなたの主からの慈悲である。本当にかれは,全聴にして全知であられ,


7.天と地,そしてその間の凡てのものの主である。もしあなたがた(の信仰)が確かならば。


8.かれの外に神はなく,生を授け死を授けられる。あなたがたの主,またあなたがたの祖先の主


であられる。


9.それなのにかれらは疑って,戯れている。


10.待っていなさい,天が明瞭な煙霧を起す日まで。


11.(それは)人びとを包む。(かれらは言う)。「これは痛ましい懲罰です。」


12.「主よ,わたしたちからこの懲罰を免じて下さい。本当に信仰いたします。」


13.どうして(再び)かれらに訓示があろう。かれらには公明な使徒が確かに来たのに,


14.かれらはかれ(使徒)から背き去って,「他人に入れ智恵された者,(ほ?)かれた者です。」


と言ったではないか。


15.われが暫くの間,懲罰を解除すると,あなたがたは必ず(不信心に)戻る。


16.われが猛襲する(審判の)日,本当にわれは,(厳正に)報復する。


17.かれら以前にも,われはフィルアウンの民を試・た。その時かれらに尊い使徒(ムーサー)


が来て,


18.(言った。)「アッラーのしもべたち(イスラエルの子孫)を,わたしに返しなさい。本当


にわたしは,あなたがたの許にやって来た誠実な使徒です。


19.アッラーに対して,高慢であってはなりません。本当にわたしは明白な権威をもって,あな


たがたの所にやって来たのです。


20.あなたがたが(わたしを)石撃ちにするなら,わたしそしてあなたがたの主でもある御方に


,救いを求めます。


21.もしあなたがたが,わたしを信じないならば,わたしには構わないでください。」


22.そこで,かれは主に祈っ(て言っ)た。「これらは罪深い人びとです。」


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23.(主の御答えがあった。)「あなたは夜の中に,わがしもべと共に旅立て。必ずあなたがた


に追っ手がかかろう。


24.そして海は(渡った後)分けたままにして置け。本当にかれらは,溺れてしまうことであろ


う。」


25.かれらは,如何に多くの園と泉を残したか。


26.また(豊かな)穀物の畑と,幸福な住まいを,


27.またかれらがそこで享楽していた良い物を(残したか。)


28.(かれらの最後は)こうであった。そしてわれは,外の民に(それらを)継がせた。


29.かれらのために,天も地も泣かず,かれらに猶予も与えられなかった。


30.われは,イスラエルの子孫を屈辱の懲罰から救い,


31.フィルアウンから(救い出した)。本当にかれは,高慢で無法者であった。


32.われは思うところにより,かれらを諸民族の上に選んだ。


33.そして明白な試練を含む,数々の印を与えた。


34.さてこれら(マッカの偶像信者)は(愚かにも)言う。


35.「わたしたちは最初死ねば(2度と)起こされない。


36.もしあなたがた(の言葉)が真実なら,わたしたちの祖先を連れ戻して・なさい。」


37.かれら(マッカの偶像信者)はトッバウの民か,またそれ以前の者たちより優れているのか


。われはかれら(諸民族)を滅ぼしたのである。本当にかれらは罪を犯した者であった。


38.われは天と地,そしてその間にある凡てのものを,戯れに創ったのではない。


39.われは,天地とその間の凡てのものを,只真理のために創った。だが,かれらの多くは理解


しない。


40.本当に(善悪の)選別の日は,凡てのものに定められた日である。


41.その日,友はその友のために何も役立てず,またかれらは援助も得られない。


42.だがアッラーの御慈悲を被むった者たちは別である。本当にかれは偉力ならびなく慈悲深く


あられる。


43.本当にアッ・ザックームの木こそは,


44.罪ある者の糧である。


45.それは溶けた銅のように内臓の中で沸騰しよう,


46.熱湯が滾りかえるように。


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47.(声がして言われよう。)「かれを捕えよ,燃えさかる炎の只中に,引きずり込め。


48.それから,かれの頭の上に沸騰する湯の痛苦を浴びせよ。


49.あなたは(これを)味わうがいい。本当にあなたは,力のある尊貴な者であった。


50.これこそあなたがたが,疑っていたものである。」


51.本当に,主を畏れた者は,安泰な所にいる。


52.園と泉の間に,


53.絹や錦を纒い,栗いに向かい合って,


54.このようにわれは,輝いた大きい目の乙女たちをかれらの配偶者にするであろう。


55.かれらはそこで平安に,凡ての果実を求められ,


56.最初の死の外に,そこで(再び)死を味わうことはなく,燃える炎の責め苦から守護されよ


う。


57.あなたの主からの賜物,それこそは至福の成就であろ。


58.われはこの(クルアーン)を,あなたの言葉(アラビア語)で(下し)分りやすくした。か


れらは,理解し諭されるかもしれない。


59.だからしばらく待って様子を見なさい。本当にかれらの方も様子を伺っているのだから。


SURA 45.跪く時章 〔アル・ジャーシヤ〕


慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において。


1.ハー・ミーム。


2.この啓典の啓示は,偉力ならびなく英明な,アッラーから(下されたもの)である。


3.本当に天と地には,信者たちにとり種々の印がある。


4.またあなたがた自身の創造,そしてかれが(地上に)撤き散らされた生きとし生けるものには


,信心堅固な者に対し,種々の印がある。


5.昼と夜との交替,またアッラーが天から下された糧,それによって死んでいる大地が甦ること


,また風向きの変化にも,知性ある者への種々の印がある。


6.これらは,真理によってわれがあなたに読誦するアッラーの印である。アッラーとその啓示以


外に,どんな説諭を(かれらは)信じようとするのか。


7.災いなるかな,凡ての罪深い嘘付き者たちよ。


8.アッラーの啓示がかれに読誦されるのを聞いても,なお強情,高慢で,それが聞こえないかの


ようである。それなら痛ましい懲罰をかれらに告げ知らせよ。


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9.かれらは,わが啓示の一端を理解すると,それを嘲笑的にとる,これらの者には,恥ずべき懲


罰がある。


10.かれらの行く先は地獄で,その行ったことは,かれらに役立つことは何もなく,また守護者


として,アッラー以外に祈ったものも,役立たない。かれらには手痛い懲罰がある。


11.これが(真の)導きである。主の印を信じない者たちには,忌しく苦しい懲罰がある。


12.アッラーこそは海をあなたがたに従わせられた方で,かれの御命令によって,船はそこを航


行し,あなたがたはかれの恩恵(の通商往来)を追求する。それであなたがたは,感謝するであ


ろう。


13.またかれは,天にあり地にある凡のものを,(賜物として)あなたがたの用に服させられる


。本当にこの中には,反省する者への印がある。


14.信仰する者たちに言え。アッラーの日を望まない者でもゆるしてやれ。なぜなら,現世での


かれらの所業に応じて,アッラーはかれら一団に来世で報いられるのだから。


15.誰でも善行をする者は自らを益し,悪行をする者は自らを損なう。それからあなたがたの主


の御許に帰されるのである。


16.本当にわれは,イスラエルの子孫に啓典と英知と預言の天分を授け,様々の善い給養を与え


,また諸民族よりも卓越させた。


17.またわれは(宗教の)事に就いて,かれらに明証を授けた。それで知識がかれらの許に来た


後において,自分たちの間の族妬により,異論を唱えるようになった。本当にあなたの主は,異


論を唱えたことに就いて,復活の日に御裁きになられる。


18.その後われは,あなたに命じ(正しい)道の上に置いた。それであなたはその(道)に従い


,知識のない者の虚しい願望に従ってはならない。


19.本当にかれらは,あなたにとってアッラー(からの懲罰)に対し全く無力である。悪を行う


者は,お栗い同士友である。だがアッラーは,主を畏れる者の友である。


20.この(クルアーン)は,人びとに対する明証であり,導きであり,また信心の堅固な者への


慈悲である。


21.あなたがたは,われが悪行を追求する者を,信仰して善行に動しむ者と同じに扱うとでも思


うのか。(不信心者たちの)生(現世)と死(来世)が同じであるとでも思うのか。かれら(不


信者)の判断こそ誤算である。


22.アッラーは,天と地を真理によって創造なされた。そして各人は,その行ったことに対して


報いられ,不当に扱かわれることはないのである。


23.あなたがたは自分の虚しい願望を,神様として崇めている者を見ないか。アッラーは御承知


のうえでかれを迷うに任せ,耳や心を封じ,目を覆われた。アッラーに(見放された)後,誰が


かれを導けよう。あなたがたは,これでも訓戒を受け入れないのか。


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24.かれらは言う。「有るものは,わたしたちには現世の生活だけです。わたしたちは生まれた


り死んだりしますが,わたしたちを滅ほすのは,時の流れだけです」しかしかれらは,これに就


いて何の知識もなく,只臆測するだけである。


25.われの明白な印がかれらに読誦されると,かれらの論法は只,「あなたの言葉が真実ならば


,わたしたちの祖先を連れ戻しなさい」と言うだけである。


26.言ってやるがいい。「アッラーが,あなたがたに生を授け,それから死なせ,それから復活


の日に,あなたがたを召集なされる。それに就いて疑いはない。だが,人びとの多くは,これを


理解しない。」


27.天と地の大権は,アッラーの有である。時が,到来する日,虚偽に従う者は失敗者となる。


28.あなたは,各集団が跪きながら,夫々の集団で自分の記録の所に呼ばれるのを見よう。この


日,あなたがたが行ったことに対して報いられるのである。


29.このわれの記録こそはあなたがたについて真実を語る。本当にわれは,あなたがたの行った


ことを書き留めさせて置いた。


30.それで信仰し,善行に勤しんだ者,主はかれらを,慈悲の中に入らせられる。これは明らか


に至福の成就である。


31.それから不信者に対しては,「われの啓示が,あなたがたに読誦されなかったのか。あなた


がたは高慢で,犯罪者である。」(と言われよう)。


32.そして(かれらに向かって,)「アッラーの御約束は,本当に真実である。(審判の)時は


,疑いの余地はないのである。」と告げられると,あなたがたは,「時が何であるのか,わたし


たちには分りません。それは全く臆測に過ぎないと思います。だからわたしたちは,しっかりし


た確信など持てません。」と言った。


33.こうして,かれらの行った様々な悪がかれらに現われ,かれらの嘲笑していたことが,かれ


らをとり囲む。


34.仰せられよう。「今日われは,あなたがたを忘れるであろう。あなたがたが,この日の対面


を忘れたように。あなたがたの住まいは業火である。あなたがたには,(もはや)助ける者はな


いのである。


35.それはあなたがたが,アッラーの印を嘲笑し,現世の生活があなたがたを欺いていたためで


ある。それで今日は,そこから出して貰えず,また,(アッラーの)御恵・にもあずかれない。





36.諸天の主,大地の主。万有の主,アッラーにこそ凡ての称讃あれ。


37.天と地における,尊厳は,かれ(だけ)のものである。かれは偉力ならびなく英明であられ


る。


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SURA 46.砂丘章 〔アル・アハカーフ〕


慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において。


1.ハー・ミーム。


2.この啓典の啓示は,偉力ならびなく英明なアッラーから(下されたもの)である。


3.われは,真理と期限を定めずには,天と地,そしてその間の凡てのものを,創造しなかった。


だが信仰しない者は,かれらに警告されたことから背き去る。


4.言ってやるがいい。「アッラーを差し置いてあなたがたが祈るものに就いて考えないのか。か


れらが,大地で創ったものが何かあるのなら,わたしに見せるがいい。また天の創造においてか


れら(偶像)の参与があるとでもいうのか。もしあなたがたの言葉が真実なら,これ(クルアー


ン)以前の啓典かまたは(古代入)の知識のかけらでもよいからわたしに(西?)せ。」


5.アッラー以外のものを,祈る者より迷っている者が外にあろうか。これらの者は,復活の日ま


で答えは得られない。またかれら(神々)は,その祈りに気付かない。


6.また人間が(審判に)集められた時,かれら(神々)は,かれらに対し敵となり,かれらへの


崇拝など,認めることもない。


7.われの明白だ印が,かれらに読誦されると,信仰しない者はかれらの許に来た真理に就いて言


う。「これは明らかに魔術です。」


8.またかれらは,「かれ(ムハマンド)が,それ(クルアーン)を捏造したのです。」と言う。


言ってやるがいい。「もしわたしがそれを捏造したのなら,あなたがたはアッラーから(の恩恵


を),何もわたしにあずからせないであろう。かれはあなたがたが,それ(クルアーン)に就い


て語ることを最もよく知っておられる。かれは,わたしとあなたがたの,立証者として万全であ


り,かれは寛容にして慈愛ぶかき御方であられる。」


9.言ってやるがいい。「わたしは使徒たちの中の革新者ではない。(何故なら)わたしに,また


あなたがたに何がなされるのかをわたしは知らない。只,わたしは啓示されたことに従うだけで


あり,わたしは,公明な一人の警告者に過ぎない。」


10.言ってやるがいい。「あなたがたは考えて・たのか,もし(クルアーンが)アッラーの御許


からであり,それをあなたがたは拒否し,しかも,イスラエルの子孫の一人がそれ(ムーサーの


律法)と,同じものであると立証し,それでかれ自身クルアーンを信じたのに,あなたがたは(


なお)高慢にも信じなかったとすれば(あなたがたは不義の徒になるのではないのか)。本当に


アッラーは,不義の民を御導きになられない。」


11.信じない者は信仰する者に言う。「もしこの(クルアーンを信じること)が良いのであれば


,かれらがわたしたちに,先んじる筈はない。」またかれらはそれによって,導きなどを受けな


いのであるとして,「これは昔の作り話しです。」と言う。


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12.しかしこの(クルアーン)以前にも導きがあり,慈悲であるムーサーの啓典(律法)があっ


た。それにこれは,アラビア語でそれを確証する啓典で,悪業をなす者への警告であり,また善


行に勤しむ者ヘの吉報である。


13.本当に「わたしたちの主は,アッラーです。」と言い,その後(その道において)堅固な者


には恐れもなく,憂いもない。


14.これらは楽園の住人で,その中に永遠に住む。(それが)かれらの(善)行に対する報奨で


ある。


15.われは,両親に対し優しくするよう人間に命じた。母は懐胎に苦し・,その分娩に苦しむ。


懐胎してから離乳させるまで30ヶ月かかる。それからかれが十分な力を備える年配に達し,それ


から40歳にもなると,「主よ,わたしと両親に対して,あなたが御恵・下された恩恵に感謝させ


て下さい。またあなたの御喜びにあずかるよう,わたしが,善行に勤しむようにして下さい。ま


た子孫も,幸福にして下さい。わたしは悔悟してあなたの御許に帰ります。本当にわたしは,服


従,帰依する者です。」と言うようになる。


16.これらの者は,われがその行いの中最善のものを受け入れる者たちで,様々な誤った行いは


見逃し,楽園の住人の中(に入る者)であろう。これはかれらと結ばれた,真実の約束である。


17.だが自分の(信心深い)両親に向かって言う者がある。「ああ,いやだ2人とも,わたしが甦


らされるのですか。わたし以前に幾世代も過ぎ去って(誰一人生きかえっていない)ではありま


せんか。」両親はアッラーの御助けを願って(言った)。「まあ,情けないこと。あなたは信仰


しなさい。本当にアッラーの御約束は真実なのです。」それでもかれは,「これは昔の物語に過


ぎない。」と言う。


18.これらの者は,以前に滅び去ったジンや人間の民族の中にいる者で,御言葉が,かれらに実


証される者たちである。かれらは,本当に(完全な)失敗者である。


19.各人には,その行ったことに応じて種々の段階がある。これはかれが,行為に対して(完全


に)報われるためで,決して不当に扱われることはない。


20.不信心者たちが,獄火の前に晒されるその日,「あなたがたは現世の生活において,様々な


良いものを得ながら,それを自ら享楽した。それで今日は,恥ずべき懲罰で報いられよう。あな


たがたは地上で真理を無視し,高慢であり,また(アッラーの)掟に背いていたことに対して恥


ずべき懲罰で報いられよう。」(と仰せられるであろう)。


21.アードの同胞〔フード〕を思い起こしなさい。われがかれの民を砂の丘で戒めた時,確かに


かれ以前にもまた以後にも,警告者たちが来て,「アッラーのほか崇拝してはならない。本当に


わたしは,偉大な日の懲罰を,あなたがたのために恐れる。」(と言った。)


22.かれらは言った。「あなたは,わたしたちを神々から背かせるために来たのですか。もしあ


なたの言葉が本当なら,わたしたちを威しているものを(湾?)しなさい。」


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23.かれは(答えて)言った。「その知識はアッラーに(だけ)あり,わたしは下されたものを


あなたがたに伝えるだけである。それにしても,あなたがたは,分ろうとしない愚か者である。





24.その時,黒雲がそれぞれの谷に押し寄せて来るのを見て人々は言った。「この雲では,一雨


来るぞ。」すると(声があった)。「いや,それはあなたがたが催促するもの。それに伴う風こ


そは痛ましい懲罰で,


25.それは主の御命令を奉じて,凡てのものを壊滅し去る。」それで朝になると,かれらの住・


かの外,何ものも見られなかった。われはこのように,罪を犯した民に報いる。


26.われは,実にあなたがた(クライシュ族)にも与えなかった力を,聴覚と視覚と心をかれら


に授けた。それでもかれらは,アッラーの印を認めなかったため,その聴覚と視覚と心は,全く


かれらを益することなく,かれらは自分の嘲笑していたものに,取り囲まれてしまった。


27.本当にわれはあなたがたの周囲の数々の町村を滅ぼし,わが印を示した。(それで)かれら


が(われに)帰る(ように)。


28.アッラーに近付こうと,かれらがかれを差し置いて神として拝したものたちは,何故かれら


を助けなかったのか。いや(助けるどころか)偶像はかれらから姿を消してしまった。これは,


(偶像を崇めるかれらの論理)かれらの偽作であり,また捏造したものであった。


29.われが,クルアーンを聞きたいというジンの仲間をあなたに差し向けた時のことを思い起し


なさい。かれらがその場に臨むと栗いに,「謹んで聴きなさい。」と言った。やがてそれが終る


と,警告のためにその民の所に帰って行き警告した。


30.かれらは言った。「わたしの人々よ,わたしたちはムーサーの後に下された啓典を確かに聞


きました。(それは)それ以前に下されたものを確証し,真理と正しい道に導くものです。


31.わスしたちの人々よ,アッラーに招く者に答えて,かれを信じなさい。かれは,あなたがたの


様々な罪を赦し,痛ましい懲罰から御救いになられる。


32.アッラーの招きに答えない者は,地上においてかれ(の計画)を挫くことなど出来る筈はな


い。またかれらには,かれの外に保護者はない。これらの者は明らかに迷いに陥っている者であ


る。」


33.かれら(マッカの多神教徒)は,天と地を創造なされ,その創造に疲れることもないアッラ


ーが,死者を甦らせることくらい,できるとは思わないのか。いや,かれは凡てのことに全能で


あられる。


34.信仰しない者が,火獄の前に晒される日。(かれらは間われよう。)「これは真実ではない


のか。」かれらは(答えて),「本当でした。わたしたちの主に誓けて。」と言う。かれは仰せ


られよう。「あなたがたは不信心であったことに対する懲罰を味わえ。」


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35.あなたは耐え忍ベ。(且つて)使徒たちが,不屈の決意をしたように耐え忍べ。かれら(不


信心の者)のために急いではならない。かれらに約束されたこと(懲罰)を見る日,まるで(死


から復活までの期間を)一日の中のほんの一時しか過してはいなかったかのように(思うであろ


う)。(これはアッラーからの)御達しである。滅ぼされるのは,(アッラーの)掟に背く者た


ちだけである(ということを)。


SURA 47.ムハンマド章


慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において。


1.信仰しない者,また(人びとを)アッラーの道から妨げる者には,その行いを迷わせられる。


2.信仰して善行に勤しむ者,またムハンマドに下されたものを主からの真理として信仰する者に


は,かれはその罪障を消滅し情況を改善なされる。


3.それも,信仰しない者が虚偽に従い,信仰する者が主からの真理に従うためである。このよう


にアッラーは,人びとのために比喩により(教えを)説かれる。


4.あなたがたが不信心な者と(戦場で)見える時は,(かれらの)首を打ち切れ。かれらの多く


を殺すまで(戦い),(捕虜には)縄をしっかりかけなさい。その後は戦いが終るまで情けを施


して放すか,または身代金を取るなりせよ。もしアッラーが御望・なら,きっと(御自分で)か


れらに報復されよう。だがかれは,あなたがたを栗いに試・るために(戦いを命じられる)。凡


そアッラーの道のために戦死した者には,決してその行いを虚しいものになされない。


5.かれは,かれらを導きその情況を改善なされ,


6.かねて告げられていた楽園に,かれらを入らせられる。


7.信仰する者よ,あなたがたがアッラーに助力すれば,かれはあなたがたを助けられ,その足場


を堅固にされる。


8.また信仰なき者には滅亡(があるだけ)で,その行いを迷わせられる。


9.それというのも,かれらがアッラーが下されたものを嫌ったためで,かれはその行いを無効に


なされる。


10.あなたがたは地上を歴遊して,かれら以前の無信仰な者たちの最後がどうであったかを見な


かったのか。アッラーはかれらを全滅なされた。不信者(の運命)もこれと同じ(運命)である





11.それはアッラーが,信仰する者の守護者であられ,不信心者には守護者がないためである。


12.本当にアッラーは信じて善行に動しむ者を,川が下を流れる楽園に入らせられる。そして信


仰しない者には,(現世の生活を)楽しませ,家畜が食うように大食させて,業火をかれらの住


まいとする。


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13.われはあなたを追放した町(マッカ)よりももっと強い多くの都市を滅ぼしたが,かれらに


は援助者もなかった。


14.それで主からの明証の上にいる者と,自分の悪行を立派なものと考え,私欲に従う者とが同


じであろうか。


15.主を畏れる者に約束されている楽園を描いて・よう。そこには腐ることのない水を湛える川


,味の変ることのない乳の川,飲む者に快い(美)酒の川,純良な蜜の川がある。またそこでは


,凡ての種類の果実と,主からの御赦しを賜わる。(このような者たちと)業火の中に永遠に住


・,煮えたぎる湯を飲まされて,腸が寸断する者と同じであろうか。


16.かれらの中には,あなたに耳を傾ける者もある。あなたの前を出て行くと,知識を授かって


いる者たちに向かって,「かれが今言ったことは,一体何ですか。」と訊ねる。これらの者は,


アッラーに心を封じられた者で,自分の私欲に従う者である。


17.しかし導かれている者たちには,(一層の)導きと敬度の念を授けられる。


18.かれら(にせ信者)は,その時(最後の審判)を待つほかはない。それは突然かれらに下る。


その兆候はすでに下っている。それ(時)が来たとき,かれらは警告をどう役立てるのか。


19.だから知れ。アッラーの外に神はないことを。そしてあなたの罪過に対し御赦しを請え。ま


た信仰する男たち,信仰する女たちのためにも御赦しを請え。本当にアッラーは,あなたがたの


働き振りも,休・方も(凡て)知っておられる。


20.信仰する者たちは,「どうして1章〔スーラ〕が下って来ないのか。」と言う。ところが断固


たる1章が下され,その中で戦闘のことが述べられると,心に病の宿る者たちは,今にも死に臨


むような弱々しい瞼であなたを見よう。災あれ(かれらは死んだ方がいい。)


21.服従することと,公正に言うこと(の方が大事である)。事(戦闘)が,決定された時は,


アッラーに忠誠であることがかれらのために善い。


22.あなたがたが,もし御命令に背き去ったりして,地上に退廃を(打?)し,また血縁の断絶


となるようなことを期待するのか。


23.これらの人々は,アッラーが見限った者で,聾唖(者)にされ,その目も盲目になされる。


24.かれらはクルアーンを熟読玩味しないのか。それとも心に鍵をかけたのか。


25.本当に導きが明らかにされた後それから背き去る者は,悪魔に唆され,誤った願望の虜とな


る。


26.それはかれらが,アッラーの下されるものを嫌う者に向かって,「わたしたちは場合によっ


ては,あなたがたに従いましょう。」と言ったためである。だがアッラーはかれらの秘密を知っ


ておられる。


27.天使たちが,かれらを召しよせ(死んでしまうこと)かれらの顔や背を打ったならどうであ


ろうか。


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28.それというのもかれらがアッラーの御怒りになることばかりを行い,かれの御喜びになられ


ることを嫌ったため,かれがかれらの行いを虚しくしたのである。


29.それとも心に病を宿す者は,自分たちの(密な)悪意をアッラーが明る・に出されないとで


も考えるのか。


30.もしわれが欲するなら,かれら(偽信者)をあなたに指し示し,その特徴によって識別出来


,また(かれらは)言葉の調子によっても分る。本当にアッラーはあなたがたの行うことを知っ


ておられる。


31.われはあなたがたの中,努力し,耐え忍ぶ者たちを区別するためにあなたがたを試・る。ま


たあなたがたの言行をも確める。


32.本当に信仰しない者,そして(人びとを)アッラーの道から妨げ,また導きが明らかにされ


た後使徒に反抗する者たちがいるが,少しもアッラーを損うことは出来ない。かれは,かれらの


行いを虚しくなされる。


33.あなたがた信仰する者よ,アッラーに従い,また使徒に従え。あなたがたの行いを,虚しく


させてはならない。


34.本当に信仰しないで,アッラーの道から(人びとを)妨げ,不信者として死ぬ者を,アッラ


ーは決して御赦しにはなられない。


35.だから落胆してはならない。和平を唱えてはならない。あなたがたは勝利を得るのである。


アッラーは,あなたがたと共におられる。決してあなたがたの行いを失敗させない。


36.この世の生活は,(一時の)遊びや戯れに過ぎない。あなたがたが信仰して自分の義務を果


すならば,かれはあなたがたに報奨を与える。あなたがたは財産(の放棄)を求められているの


ではない。


37.もしかれがそれをあなたがたに求められ,強要されるならば,あなたがたは借しくなり,か


れはあなたがたの恨・心を暴露されよう。


38.見よ,あなたがたは,アッラーの道のために(所有するものの一部の)施しを求められるの


である。それなのにあなたがたの中には,貪欲な者がいる。だが貪欲な者は,只自分の魂を損う


だけである。アッラーは自足されているが,あなたがたは貧しい。もしもあなたがたが背き去る


ならば,かれはあなたがた以外の民を代りに立てられよう。それらはあなたがたと同様ではない


であろう。


SURA 48.勝利章 〔アル・ファトフ〕


慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において。


1.本当にわれは,明らかな勝利をあなたに授けた。


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2.それはアッラーが,あなたのために過去と今後の罪を赦し,またあなたへの恩恵を果して正し


い道に導もいて下さり,


3.また力強い援助であなたを助けようとなされるためである。


4.かれこそは,信者たちの心に安らぎを与え,かれらの信心の上に信心を加えられる方である。


本当に,天と地の諸軍勢はアッラーの有である。アッラーは全知にして英明であられる。


5.それもかれが,信じる男たちと信じる女たちを川が下を流れる楽園に入らせて,その中に永遠


に住まわせ,かれらの様々な罪業を消滅なされるとの思し召しから。これこそアッラーの御許で


は偉大な成就である。


6.またかれは,アッラーについて邪な考えをもつ偽信者や女たち,多神教徒は男も女も懲罰なさ


れる。かれらはアッラーに就いて,悪い見解で臆測する者である。これらの者には非運が巡って


きて,アッラーはかれらに激怒され,崇られ,かれらのために地獄を準備なされる。悪い帰り所


である。


7.天と地の諸軍勢はアッラーのものである。アッラーは偉力ならびなく英明であられる。


8.本当にわれは,実証者,吉報の伝達者また警告者として,あなたを遣わした。


9.それはあなたがたが,アッラーとその使徒を信じ,またかれ(の教えの宣揚)を助け,かれを


尊崇させるためであり,また朝な夕なかれを讃えさせるためである。


10.本当にあなたに忠誠を誓う者は,アッラーに忠誠を誓う者である。アッラーの御手がかれら


の手の上にあり,それで誰でも誓いを破る者は,自分の魂を損なう者である。また誰でもアッラ


ーとの約束を,果す者には,かれは偉大な報奨を与えるのである。


11.後に居残った砂漠のアラブ人たちは,あなたに向かって,「わたしたちは,財産や家族のこ


とに捕われていました。だからどうかわたしたちのために,赦しを祈ってください。」とかれら


は,心にもないことを舌の先で言う。言ってやるがいい。「もしもアッラーがあなたがたを害し


ようと御望・になり,または益しようと御望・になれば,誰があなたがたのために少しでもアッ


ラーの意を翻すことなど出来ようか。」いや,アッラーは,あなたがたの行うことを知り尽され


る。


12.いや,使徒と信者たちは,決してその家族の許に帰らないとあなたがたは考え,得意になっ


て,邪念を抱いていた。あなたがたは破滅する民である。


13.誰でもアッラーとその使徒を信じないならば,われはそのような不信心の徒に対して燃えさ


かる火を準備した。


14.天と地の大権はアッラーの有である。かれは御望・の者を赦し,また御望・の者を懲罰なさ


れる。本当にアッラーは,寛容にして慈悲深くあられる。


15.後に居残った者たちも,あなたがたが出動して戦利品が取れるとなると,「わたしたちを入


れてください。あなたがたの御供をします。」と言い,かれらはアッラーの御言葉を変えようと


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望む。言ってやるがいい。「あなたがたは,決してついて来てはならない。アッラーが既にそう


仰せられたのである。」するとかれらヘ,「あなたがたはわたしたちを恨んでいる。」と言う。


いや,かれらは少しも理解しないのである。


16.あと居残った砂漠のアラブたちに言ってやるがいい。「今にあなたがたは,強大な勇武の民


に対して(戦うために)召集されよう。あなたがたが戦い抜くのか,またはかれらが服従するか


のいずれかである。だがこの命令に従えば,アッラーは見事な報奨をあなたがたに与えよう。だ


がもし以前背いたように背き去るならば,かれは痛ましい懲罰であなたがたを処罰されよう。」


17.ただし,盲人は(出征しなくても)罪はなく,足の障害者や病人にも罪はない。誰でもアッ


ラーとその使徒に従う者は,川が下を流れる楽園に入らされよう。しかし誰でも背き去る者は,


痛ましい懲罰が下されるであろう。


18.かれらがあの樹の下であなたに忠誠を誓った時,アッラーは信者たちに,ことの外御満悦で


あった。かれはかれらの胸に抱くことを知り,かれらに安らぎを下し,手近な勝利をもって報わ


れた。


19.そしてかれらは,(その外に)沢山の戦利品を得た。アッラーは偉力ならびなく英明であら


れる。


20.アッラーは,あなたがたが得ることになる沢山の戦利品を約束なされた。しかも直ぐにそれ


を果たされ,あなたがたに(反抗する)人びとの手を押えられた。それは信仰する者への印であ


り,またあなたがたを正しい道に導くためである。


21.またかれはいまだにあなたがたの力の及ばないものをも(約束されたが),アッラーはしっ


かりと取り囲んでいる。本当にアッラーは凡てのことに全能であられる。


22.不信心者たちが,あなたがたと戦ったとしても,かれらはきっと背を向けよう。かれらには


,保護者も救助者もいない。


23.これは昔からの,アッラーの慣行である。あなたはアッラーの慣行には,少しの変更も見い


出せない。


24.またかれこそは,マッカの谷間であなたがたからかれらの手を,また,かれらからあなたが


たの手を押えられた方であり,その後かれは,あなたがたにかれらに対し好結果を与えられた。


本当にアッラーは,あなたがたの行うことの監視者であられる。


25.かれらこそは(啓示を)拒否し,あなたがたを聖なるマスジドから妨げ,また供物がその犠


牲の場に達することを妨げた者である。またあなたがたが,(かれらと混じり住む)信仰する男


や女たちを,知らずに踏・躪って,無意識に罪を犯さないよう


(あなたがたの手を押えられた)。かれは御心に適う者をその慈悲の中に入らせられる。もしか


れら(善男善女)が(はっきりと)分れていたならば,われは痛ましい懲罰で不信の徒を懲罰し


ていたであろう。


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26.あの時不信心な者たちは,胸の中に慢心の念を燃やした。ジャーヒリーヤ(時代のような)


無知による慢心である。それでアッラーは,使徒と信者の上に安らぎを下し,かれらに自制の御


言葉を押し付けられた。これはかれらがその(安らぎ)に値し,またそれを受けるためであった


。アッラーは凡てのことを知っておられる。


27.本当にアッラーは,使徒のためにかれの夢を真実になされた。もしアッラーが御望・なら,


あなたがたは,安心して必ず聖なるマスジドに入り,あなたがたの頭を剃,または(髪を)短か


く刈り込んで(ハッジやオムラを全うする)。何も恐れることはないのである。かれはあなたが


たが知らないことを知っておられる。そればかりか,かれは手近な一つの勝利を許された。


28.かれこそは,導きと真実な教えをもって,それを凡ての宗教の上に宣揚するため,かれの使


徒を遺わされた方。本当にアッラーは立証者として万全であられる。


29.ムハンマドはアッラーの使徒である。かれと共にいる者は不信心の者に対しては強く,挫け


ず,お栗いの間では優しく親切である。あなたは,かれらがルクウしサジダして,アッラーから


の恩恵と御満悦を求めるのを見よう。かれらの印は,額にあるサジダによる跡である。(ムーサ


ーの)律法にも,かれらのような者の譬えがあり,(イーサーの)福音にも,かれらのような譬


えがある。それは蒔いた種が芽をふき,丈夫な茎を伸ばして,種を蒔いた者を喜ばせるようなも


の。それで不信者たちは,かれらに憤激することであろう。だがアッラーは,かれらの中で信仰


して善行に勤しむ者に,容赦と偉大な報奨を約束なされる。


SURA 49.部屋章 〔アル・フジュラート〕


慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において。


1.信仰する者よ,あなたがたはアッラーとその使徒を差し置いて勝手な振舞いをしてはならない


。アッラーを畏れなさい。本当にアッラーは全聴にして全知であられる。


2.信仰する者よ,あなたがたの声を預言者の声よりも高く上げてはならない。またあなたがたが


栗いに声高に話す時のように,かれに大声で(話して)はならない。あなたがたの気付かない中


に,自分の行いを虚しくしないために。


3.本当にアッラーの使徒の前でその声を低くする者は,アッラーがその心の敬虔さを試・られた


者である。かれらには,赦しと偉大な報奨があろう。


4.本当に部屋の外から大声であなたを呼ぶ者の多くは,思慮分別のない者である。


5.もしかれらが,あなたの出て来るのを待つならば,それはかれらのためにも良い。本当にアッ


ラーは寛容にして慈悲深くあられる。


6.信仰する者よ,もし邪な者が情報をあなたがたに(湾?)したならば,慎重に検討しなさい。これ


はあなたがたが,気付かない中に人びとに危害を及ぼし,その行ったことを後悔することになら


ないためである。


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7.あなたがたの間にアッラーの使徒がいることを知れ。かれがもし多くの事柄に就いてあなたが


たに従ったならば,あなたがたはきっと不幸に陥ったことであろう。だがアッラーは,あなたが


たに信仰を好ましいものとなされ,またあなたがたの心を,それに相応しくして,あなたがたに


不信心と邪悪と反逆を嫌うようになされた。これは正しく導かれた者である。


8.それもアッラーからの御恵・であり,恩恵である。アッラーは全知にして英明であられる。


9.もしも信者が2つに分れて争えば,両者の間を調停しなさい。もしかれらの一方が他方に対し


て,(一方的に)無法なことをするならば,無法者がアッラーの命令に立ち返るまで戦いなさい


。だがかれらが立ちかえったならば,正義と公平を旨としてかれらの間を調停しなさい。本当に


アッラーは公正な者を愛される。


10.信者たちは兄弟である。だからあなたがたは兄弟の間の融和を図り,アッラーを畏れなさい


。必ずあなたがたは慈悲にあずかるのである。


11.信仰する者よ,或る者たちに外の者たちを嘲笑させてはならない。それら(嘲笑された方)


がかれらよりも優れているかも知れない。女たちにも外の女たちを(嘲笑させては)ならない。


その女たちがかの女たちよりも,優れているかも知れない。そして栗いに中傷してはならない。


また綽名で,罵り合ってはならない。信仰に入った後は,悪を暗示するような呼名はよくない。


それでも止めない者は不義の徒である。


12.信仰する者よ,邪推の多くを祓え。本当に邪推は,時には罪である。無用の詮索をしたりま


た栗いに陰日してはならない。死んだ兄弟の肉を,食べるのを誰が好もうか。あなたがたはそれ


を忌・嫌うではないか。アッラーを畏れなさい。本当にアッラーは度々赦される方,慈悲深い方


であられる。


13.人びとよ,われは一人の男と一人の女からあなたがたを創り,種族と部族に分けた。これは


あなたがたを,栗いに知り合うようにさせるためである。アッラーの御許で最も貴い者は,あな


スがたの中最も主を畏れる者である。本当にアッラーは,全知にして凡ゆることに通暁なされる





14.砂漠のアラブたちは,「わたしたちは信仰します。」と言う。言ってやるがいい。「あなた


がたは信じてはいない。ただ『わたしたちは入信しました』と言っているだけで,信仰はまだあ


なたがたの心の中に入ってはいない。もしあなたがたが,アッラーとその使徒に従うなら,かれ


はその行いに就いて,少しも(報奨を)軽減されることはない。本当にアッラーは寛容にして慈


悲深くあられる。


15.本当に信者とは,一途にアッラーとその使徒を信じる者たちで,疑いを持つことなく,アッ


ラーの道のために,財産と生命とを捧げて奮闘努力する者である。これらの者こそ真の信者であ


る。」


16.言ってやるがいい。「あなたがたは自分の宗教を,アッラーに教えようとでも(思うのか)


。アッラーは天地にある凡てのものを知っておられる。本当にアッラーは凡てのことを熟知して


おられる。」


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17.かれらは,自分がイスラームに帰依して,あなたに対する恩を施したように思っている。言


ってやるがいい。「あなたがたの帰依は,わたしヘの恵・とはならない。もしあなたがたが真実


(帰依した)なら,アッラーは,あなたがたを信仰に導くことを,あなたがたへの恵・となされ


るのである。」


18.本当にアッラーは,天と地の奥義を知っておられる。アッラーは,あなたがたの所行をよく


洞察なされる方である。



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