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SURA 41.フッスィラ章


慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において。


1.ハー・ミーム。


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2.(これは)慈悲あまねく慈愛ぶかき御方からの啓示である。


3.印が詳細に解明された啓典,理解ある民へのアラビア語のクルアーンで,


4.吉報と警告(を伝えるもの)である。だがかれらの多くは,背き去って聞こうとはしない。


5.そしてかれらは言う。「わたしたちの心には,あなたが招くことに覆いがかけられている。ま


たわたしたちの耳は遠く,しかもわたしたちとあなたの間には,幕がかかっている。それであな


たは自分の(望・の)ことを行え。わたしたちも自分の(望・の)ことを行う。」


6.言ってやるがいい。「わたしは,あなたがたと同じ人間に過ぎない。唯,あなたがたの神は,


唯一の神であることがわたしに啓示された。それでかれに向かって真直ぐに傾倒し,かれの御赦


しを祈りなさい。多神教徒こそ災いであり,


7.そのような者が喜捨を行わず来世を否定する者である。


8.本当に信仰して善行に動しむ者には,尽きることのない報奨がある。」


9.言ってやるがいい。「あなたがたは,2日間で大地を創られたかれを,どうして信じないのか


。しかもかれに同位者を立てるのか。かれこそは,万有の主であられる。


10.かれは,そこに(山々を)どっしりと置いて大地を祝福なされ,更に4日間で,その中の凡て


の(御恵・を)求めるもの(の必要)に応じて,御恵・を規定なされた。


11.それからまだ煙(のよう)であった天に転じられた。そして天と地に向かって,『両者は,


好むと好まざるとに関わらず,われに来たれ。」と仰せられた。天地は(答えて),『わたした


ちは喜こんで参上します。』と申し上げた。


12.そこでかれは,2日の間に7層の天を完成なされた。そしてそれぞれの天に命令を下し,(大


地に)近い天を,われは照明で飾り,守護した。これは,偉力ならびなく全知なる御方の摂理で


ある。」


13.それでもかれらが,背き去るならば言ってやるがいい。「あなたがたに,アードとサムード


の(被った)落雷のような災難を警告する。」


14.使徒たちが,かれらの前からまた後ろからかれらのところにやって来て,「アッラーの外何


ものにも仕えてはならない。」と告げた時のことを思い起こせ。かれらは言った。「わたしたち


の主の御望・ならば,必ず天使を御遺わしになるはずである。だからあなたがたが持って来たも


の(啓示)をわたしたちが信じるわけがない。」


15.アード(の民)に就いては,正当な拠り処もないのに地上で高慢になり,「誰が,わたした


ちよりも力が強いのでしょうか。」などと言った。かれらを創られたアッラーこそ,力が強いと


いうことを考えないのか。しかもわれの印を拒否するとは。


16.だからわれは,災厄の数日間に亘り,暴風雨をかれらに送って,現世において屈辱の懲罰を


味わせた。だが来世の懲罰は更に屈辱を与え,誰にもかれらは助けられない。


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17.またわれはサムード(の民)を,導いた。だがかれらは導きよりも,盲目の方を良いとした


。それで,かれらが稼いでいた(行いの)ために,不面目な懲罰の落雷がかれらを襲ったB


18.だが,われは信仰し主を畏れる者は救った。


19.その日,アッラーの敵は集められ,火獄への列に連らなる。


20.かれらが(審判の席)に来ると,その耳や目や皮膚は,かれらの行ってきたことを,かれら


の意に背いて証言する。


21.するとかれらは,(自分の)皮膚に向かって言う。「あなたがたは何故わたしたちに背いて


,証言をするのですか。」それらは(答えて)「凡てのものに語らせられるようにされたアッラ


ーが,わたしたちに語らせられます。かれは最初にあなたがたを創り,そしてかれの御許に帰ら


せられます。」と言う。


22.また,「あなたがたは,自分の耳や目や皮膚が,あなたがたに背くような証言など出来ない


(と思い)。自分を祢うこともしなかった。寧あなたがたは自分の行っていたことなど,アッラ


ーが沢山知っておられる訳がないと,考えていた。


23.だが,あなたがたの主に就いて考えたこのことが,あなたがたを破滅に落し入れ,失敗の原


因となった。」


24.それでかれらが例え耐え忍んでも,業火はかれらの住まいであり,例え御情けを願っても,


慈悲にあずかれない。


25.われは,かれらに(は立派に見える)仲間(の悪魔)を宛てがって置いた。それでかれら以


前のことも,以後のことも,かれらに取っては立派に思われた。そしてかれら以前に過ぎ去った


ジンと人間の,諸世代に下された言葉通りのことが,かれらに実証された。かれらは完全な敗北


者となった。


26.信じない者は言う。「クルアーンに耳を傾けてはなりません。そしてその(読誦)中にしゃ


べりまくりなさい。そうすればあなたがたは圧倒出来ます。」


27.そこでわれは,不信心な者に強い懲罰を味わせ,かれらの最も醜悪な行いに応報する。


28.それはアッラーの敵への報酬,業火である。その中が,かれらのための永遠の住まいである


。わが印を拒否していたことに対する報酬である。


29.すると不信心の者は,「主よ,ジンと人間の中でわたしたちを迷わせた者に,会わせて下さ


い。足の下に踏・つけて,最も卑しい者にしてやります。」と言う。


30.本当に,「わたしたちの主は,アッラーであられる。」と言って,その後正しくしっかりと


立つ者,かれらには,(次から次に)天使が下り,「恐れてはならない。また憂いてはならない


。あなたがたに約束されている楽園への吉報を受け取りなさい。(と言うのである)。


31.われは現世の生活においても,また来世においても,あなたがたの友である。そこではあな


たがたの魂は望むものを得,そこではあなたがたの求めるものが得られる。


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32.寛容にして慈悲深い御方からの歓待である。」


33.人びとをアッラーの許に呼び,善行をなし,「本当にわたしは,ムスリムです。」と言う者


程美しい言葉を語る者があろうか。


34.善と悪とは同じではない。(人が悪をしかけても)一層善行で悪を追い払え。そうすれば,


栗いの間に敵意ある者でも,親しい友のようになる。


35.だがよく耐え忍ぶ者たちの外には,それは成し遂げられないであろう。格別幸運な者たちの


外には,それを成し遂げられないのである。


36.それからもし,悪魔の扇動が,あなたを唆かしたならば(どんな場合でも)アッラーの御加


護を祈れ。本当にかれは全聴にして全知であられる。


37.夜と昼,また太陽と月は,かれの印の中である。それで太陽にも月にもサジダするようなこ


とをしてはならない。それら(両方)を創られた,アッラーにサジダしなさい。あなたがたが仕


えるのなら,かれにこそ仕えなさい。


38.もしもかれら(不信心者)が高慢で(主に仕えることを侮って)も,主の御許にいる者たち


は,夜も昼もかれを讃え,弛むことをしらない。〔サジダ〕


39.かれの印の一つを,あなたは荒れ果てた大地に見る。われがその上に雨を降らせると,動き


だし,盛り上がる。本当にそれに生命を与えられた方は,まさに死者を甦らせられる方である。


かれは,凡ゆることに全能である。


40.わが印の曲解者は,われから隠れられない。火獄に投げ込まれる者となるのがよいのか,そ


れとも審判の日に安心して来られる者となるのがよいのか。あなたがたが好む通りに行いなさい


。本当にかれは,あなたがたの行うことを見守られる。


41.訓戒(クルアーン)がかれらのもとに来た時,それを拒否した者は(われから隠れられない


)。本当にそれは偉大な啓典であり,


42.虚偽は,前からも後ろからも,近付ことは出来ない。これは,英明で讃美すべき方からの啓


示である。


43.あなたが不信者に言われていることは,あなた以前の使徒たちが言われたことと同じである


。本当にあなたの主は,寛容の主であり,また厳罰の主であられる。


44.われがクルアーンを外国語で下したならば,かれらはきっと,「この印は,どうしてはっき


り述べられないのでしょう。何と,アラビア人(の使徒)に外国語(の啓示)なのですか。」と


言う。言ってやるがいい。「それは信仰する者にとっては導きであり,治療である。だが信じな


い者は,その耳が的くなり,またそれが(分らず)盲目である。かれらは,遠い所から呼びかけ


られる(ようなも)のである。」


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45.われは確かにムーサーに啓典を授けたのだが,それに就いて異論が起こった。もし主から(


審判の時に就いて)前もって,御言葉が下っていなかったならば,その時かれらの間は解決され


ていたであろう。だがかれらはまだ疑いを抱き半信半疑でいる。


46.善行をなす者は自分を益し,悪行をなす者は自分を損なう。あなたがたの主は,そのしもべ


を不正に取り扱われない。


47.(審判の)時に関する知識は,かれだけが知るところ。かれが知らずに,一つの果実も,そ


の外皮から出てくるものではない。また女や雌が子を宿すことも分娩することもない。その日,


かれらに尋ねられる。「われの同僚とやら(の偶像たち)は,何処にいるのか。」かれらは申し


上げよう。「あなたに御伝えします。わたしたちの中には一人の証人もおりません。」


48.かれらが先に拝していたものたちは,かれらを捨てて隠れてしまい,そこでかれらは,逃げ


場もないことが分る。


49.人間は幸福を祈って,疲れることをしらない。だが不幸に見舞われると,落胆し絶望してし


まう。


50.災厄にあった後われの慈悲に浴させると,かれは必ず,「これはわたし(の力)には当然の


ことです。(審判の)時が,来るとは考えられません。また主に婦されても,わたしはかれの御


許で,褒美をもらいます。」と言う。だがわれはこれら不信心の者に対し,その行ったことを示


し,必ず手荒い懲罰を味わせる。


51.われが人間に恩恵を示せば,かれは脇を向いて,(われに近付かず反って)退き去る。だが


一度災厄に会えば長々と十分に祈る。


52.言ってやるがいい。「あなたがたは考えないのか。もしそれが,(本当に)アッラーから(


下された)ものであっても,あなたがたは信じないのか。遠く離れ去って分裂する者ほど,酪く


迷った者が(外に)あろうか。」


53.われは,わが印が真理であることが,かれらに明白になるまで,(遠い)空の彼方において


,またかれら自身の中において(示す)。本当にあなたがたの主は,凡てのことの立証者であら


れる。そのことだけでも十分ではないか。


54.ああ,かれらは主との会見に就いて疑っているのか。本当にかれこそは,凡てのものを取り


囲む方であるのに。


SURA 42.相談章 〔アッ・シューラー〕


慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において。


1.ハー・ミーム。


2.アイン・スィーン・カーフ。


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3.このように(主は)あなたに啓示なされる。以前の者たちにも啓示されたように。アッラーは


,偉力ならびなく英明であられる。


4.天にあり地にある凡てのものは,かれの有である。かれは至高にして至大であられる。


5.諸天は,その上の方から,ばらばらに裂けようとしている。そして天使たちは,主を讃えて唱


念し,地上のもののために赦しを請い願う。ああ,本当にアッラーこそは,寛容にして慈悲深く


あられる。


6.それでもかれの外に,保護者を求める者がおり,アッラーはかれらを監視なされる。だからあ


なたは,かれらの後見人ではない。


7.このようにアラビア語でクルアーンをあなたに啓示したのは,あなたが諸都市の母と,その周


辺の者に警告し,また疑いの余地のない召集の日に就いて,(かれらに)警告を与えるためであ


る。(その日)一団は楽園に,また一団は業火の中に(入ろう)。


8.もしアッラーが御望・なら,かれらを一つのウンマになされたであろう。だがかれは,御心に


適う者を慈悲の中に入らせられる。悪い行いの者には,保護者も援助者もない。


9.何とかれらは,かれを差し置いて,守護者を求めるのか。だがアッラーこそ守護者であり,ま


た死んだものに生を授ける方,凡てのことに全能な方である。


10.何事によらず,あなたがたに異論があった時,その決定をするのはアッラーである。これが


,わたしの主アッラーである。かれに,わたしは御(艇?)りし,かれにわたしは悔悟して帰る。


11.天と地の創造者。かれはあなたがたのために,あなたがたの間から夫婦を,また家畜にも雌


雄を創られた。このようにして,あなたがたを繁殖させる。かれに比べられるものは何もない。


かれは全聴にして凡てを見透される方である。


12.天と地の凡ての鍵は,かれに属する。かれは,御心に適う者に,恵・を広げ,またひき締め


られる。本当にかれは凡てのことを知り尽される。


13.かれがあなたに定められる教えは,ヌーフに命じられたものと同じものである。われはそれ


をあなたに啓示し,またそれを,イブラーヒーム,ムーサー,イーサーに対しても(同様に)命


じた。「その教えを打ち立て,その間に分派を作ってはならない。」あなたが招くこの教えは,


多神教徒にとっては重大事である。アッラーは御心に適う者を御自分のために御選びになり,ま


た梅悟して(主に)帰る者をかれ(の道)に導かれる。


14.知識がかれらに下った後,間もなくかれらの間の嫉妬によって分派が出来た。定められた時


に関し,あなたの主からの御言葉がなかったならば,(問題は)かれらの間でとっくに解決され


たであろう。だがかれらの後,啓典を継いでいる者たちはそれに就いて(未だに)疑いを抱いて


いる。


15.だからあなたは(人を純正な教えに)招き,命じられたように堅忍不抜であれ。かれらの(


虚しい)望・に従ってはならない。そして言ってやるがいい。「わたしはアッラーが下された啓


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典を信奉する。わたしはあなたがたの間を公正に統治するよう命じられた。アッラーはわたした


ちの主であり,あなたがたの主であられる。わたしたちには,わたしたちの行いの報いがあり,


またあなたがたには,あなたがたの行いの報いがある。わたしたちとあなたがたとの間に,異論


などはないのである。アッラーは,わたしたちを(一緒に)召集されよう。かれこそが(わたし


たちの)帰る所なのである。」


16.この(イスラーム)が(多くの者に)受け入れられた後アッラー(の教え)に就いて云々す


る者の論議は,主の御許では無益で,そのような(者たち)は御怒りを被り,厳しい懲罰を受け


よう。


17.アッラーこそは,真理の啓典と秤を下された方である。その「時」が近いということを,あ


なたがたに理解させるものは何であろうか。


18.それ(時)を信じない者はそれを催促するが,信仰する者は,それが真理であることを知っ


ているので,恐れる。本当に時に就いて論議する者は,遠く迷っている者たちである。


19.アッラーはそのしもべに対して,やさしくあられ,御心に適う者に恵・を与えられる。かれ


は強大にして偉力ならびなき方である。


20.来世の耕作を願う者にはわれはその収穫を増し,また現世の耕作を願う者には,その望むだ


けを与えよう。だがその者には,来世での分け前はないのである。


21.それともかれらに(主の)同位者があって,アッラーが御許しになられない宗教をかれらの


ために立てたのか。決定的(猶予の)御言葉かなかったならば,かれらのことはとっくに裁かれ


ていた。悪い行いの者は本当に痛ましい懲罰を受けるであろう。


22.あなたは悪行の者たちが,その行ったこと(の罪)が,自分たちに降りかかると,恐れ戦く


のを見るであろう。しかし信仰して善行に動しむ者は,楽園の心地よい緑の野にいて,主の御許


から,その望むところのものが得られよう。それこそは,偉大な恩恵である。


23.それは信仰して善行に勤しむしもべに対し,アッラーが伝える吉報である。言ってやるがい


い。「わたしはそれに対して,何の報酬もあなたがたに求めてはいない。わたしはあなたがたの


近親としての情愛だけを求める。それで誰でも,善行をなす者には,それに対しさらに良いもの


が与えられる。本当にアッラーは,寛容にしてよく感謝される方である。」


24.それともかれらは,「かれ(ムハンマド)はアッラーについて嘘をでっち上げた。」と言う


のか。アッラーが御望・ならば,あなたの心を封じることも出来る。またアッラーは,その御言


葉によって虚偽を消し,真理を打ち立てることも出来る。本当にかれは胸の中に抱くことを知り


尽される。


25.かれこそは,しもべたちの悔悟を受け入れ,様々な罪を許し,あなたがたの行うことを知っ


ておられる。


26.かれは信仰して善行に動しむ者に答えて,恩恵を増やされる。だが不信心な者に対しては,


厳しい懲罰を科される。


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27.もしアッラーが,そのしもべたちに対し過大に恵・を授けるならば,かれらはたちまち不正


にはしる。しかし,かれは望むことを,適度に下される。本当にかれはそのしもべたちを熟知し


監視なされる方である。


28.かれこそは(人びとが)絶望した時,雨を降らせ,慈悲を垂れられる方。かれは讃美すべき


愛護者であられる。


29.天と地の創造と,その間に(捲?)き散らされた生きとし生ける物は,かれの印の中にある。ま


たかれは,御望・の時に,一斉にかれらを召集なされる権能者である。


30.あなたがたに降りかかるどんな不幸も,あなたがたの手が稼いだものである。それでもかれ


は,(その)多くを赦される。


31.あなたがたは地上において,かれを挫くことは出来ない。あなたがたには,アッラーの外に


どんな愛護者も援助者もないのである。


32.また,かれの印の一つは船で,それはちょうど海の中を進む山のようである。


33.もしかれの御心なら風を静められ,それで(船は)海面に泊ってしまう。本当にこの中には


,よく耐え感謝する者への印がある。


34.またかれは,(人びとが)自ら犯した罪のために,それら(船)を難破させることも出来る


。だが(その罪の)多くを許される。


35.しかし,われの印に就いて論議する者は,免れる場もないことを知るであろう。


36.あなたがたに与えられる凡てのものは,現世の生活における(暫しの)享楽(に過ぎない)


。信仰して,主を信頼する者にとっては,アッラーの御許にあるものこそ,もっとも善であり,


はるかに永続する。


37.また,大罪や破廉恥な行為を避ける者,怒ってもゆるす者,


38.また主(の呼びかけ)に答えて礼拝の務めを守る者,栗いに事を相談し合って行う者,われ


が授けたものから施す者,


39.迫害に会った時,助け合い,防衛する者,(にとって,アッラーの御許にあるものこそ,も


っとも善であり永続する)。


40.悪に対する報いは,それと同様の悪である。だが寛容して和解する者に対して,アッラーは


報酬を下さる。本当にかれは悪い行いの者を御好・になられない。


41.不当なことをされた者が,自ら守って(報復して)も,これらの者に対して罪はない。


42.他人に悪を行い,また度を越した復讐を企て地上を騒がす者たち,かれらに対する(アッラ


ーの)罰は痛ましい懲罰があるだけである。


43.だが耐え忍んで赦してやること,それこそ(アッラーの決められた)確固たる人の道という


もの。


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44.アッラーが迷うに任せた者には,その後擁護者はないのである。あなたがたは悪を行う者が


,懲罰を見ると,「何とか引返す道はないでしょうか。」と言うのを見るであろう。


45.あなたがたは,かれらが卑しめられて業火に晒され盗・目で見据えているのを見よう。信仰


する者は,「復活の日に,自分自身と追従者を失う者は,本当の損失者です。と言う。ああ,悪


を行った者は,本当に永遠の懲罰を受ける。


46.かれらにはアッラーの外に,助ける守護者はない。アッラーが迷うに任せた者には,(帰る


所への)道はないのである。」


47.避けられない日が,アッラーからあなたがたの許にやって来る前に,あなたがたの主(の呼


びかけ)に答えなさい。その日あなたがたには避難所もなく,(自分の罪を)否認する余地もな


い。


48.もしかれらが背き去っても,われはかれらへの見張り人として,あなたを遣わした訳ではな


い。あなた(の務め)は,(啓示の)伝達だけである。人間はわれが恵・を味わせると,それに


より高慢になる。ところが,自分の手が犯した行いのために不幸に悩まされると,本当に恩を忘


れる。


49.天と地の大権は,アッラーの有である。かれは御心のままに創られる。かれは,御望・の者


に女児を授け,また御望・の者に男児を授けられる。


50.また男と女を混ぜ(て授け),また御望・の者を不妊になされる。本当にかれは全知にして


強力であられる。


51.アッラーが,人間に(直接)語りかけられることはない。啓示によるか,帳の陰から,また


は使徒(天使)を遣わし,かれが命令を下して,その御望・を明かす。本当にかれは,至高にし


て英明であられる。


52.このようにわれは,わが命令によって,啓示(クルアーン)をあなたに下した。あなたは,


啓典が何であるのか,また信仰がどんなものかを知らなかった。しかしわれは,これ(クルアー


ン)をわがしもべの中からわれの望む者を導く一条の光とした。あなたは,それによって(人び


とを)正しい道に導くのである。


53.天にあり地にあるすべてのものを所有するアッラーの道へ。見よ,本当にすべてはアッラー


(の御許)に帰って行く。


SURA 43.金の装飾章 〔アッ・ズフルフ〕


慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において。


1.ハー・ミーム。


2.(事物を)明瞭にする啓典にかけて(誓う)。


3.本当にわれは,それをアラビア語のクルアーンとした。あなたがたが理解するために。


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4.それはわが許の母典の中にあり,非常に高く英知に益れている。


5.あなたがたが反逆の民であるというために,われは,この訓戒をあなたがたから取りあげて,


放置出来ようか。


6.われは如何に多くの預言者を,昔の民に遣わしたことか。


7.だが預言者が来る度に,かれらは嘲笑しないことはなかった。


8.それでわれはこれら(クライシュ族)よりも,力量の優れた者を滅ぼした。昔の人の例が先に


あるように。


9.もしあなたがかれらに向かって,「天と地を創造したのは誰ですか。」と問えば,かれらは必


ず,「偉力ならびなく全知な御方が創造なされたのです。」と言う。


10.かれはあなたがたのため,大地を臥所となされ,その中に道を蝕けられた。あなたがたを正


しく導かれるように。


11.また天から適量の雨を降らせ,それで死んだ大地を甦らせられる御方である。そのように,


あなたがたは(墓場から)出てくる。


12.かれは凡てのものを一対に創造し,またあなたがたのために,舟と家畜を乗物として備えら


れた。


13.あなたがたは,その背に安全に乗り,それに乗る時,あなたの主の恩恵を念じ,(祈って)


言う。「かれを讃えます。これらのものをわたしたちに服従させる御方。これはわたしたちには


叶わなかったことです。


14.本当にわたしたちは,主に必ず帰るのです。」


15.それなのにかれら(多神教徒)は,かれのしもべ(天使)を,(アッラーの娘などと称して


)かれの分身としている。本当に人間は,恩を忘れる。


16.それともあなたがたはかれが創られたものの中から(天使を)娘として選び,あなたがたは


男児だけ授かるとでも言うのか。(いやそうではない。)


17.かれらの或る者は,慈悲深き御方に引き合いに出したもの(女児の誕生)を,知らされると


,かれの顔は終日暗く,悲嘆にくれてしまう。


18.(美しい)


着物を着て大事に育てられるが明らかな根拠がないのに口論する者(をアッラーと同位にし)て


もよいのか。


19.(それでも)慈悲深き方のしもべである天使たちを,女性とするのか。これらの(天使)の


創造を証言できるのか。かれらの証言は記録され,(審判の日に)糾問されよう。


20.かれらは,「慈悲深き御方が御望・なら,わたしたちは決してかれら(神々)を,崇拝しま


せんでした。」と言う。かれらはそれに就いて何の知識もなく,只臆測するだけである。


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21.それともわれがこれより前に授けた啓典があって,かれらはそれを固く守っている(とでも


言う)のか。


22.いや,かれらは言う。「わたしたちは祖先が,一つの道を踏んでいたのを見て,その足跡に


よって導かれているのです。」


23.同じように,われがあなた以前にも,町の警告者を遣わす度に,その地の富裕な者たちは,


「本当にわたしたちは,祖先が一つの教えを奉しているのを見ています。それでその足跡を踏ん


でいるのです。」と言っていた。


24.かれ(使徒)が,「何と,祖先が従っていたあなたがたの知るものよりも,良い導きを(打


?)してもか。」と言うとかれらは,「あなたが届けたものは,わたしたちは信じません。」と


言った


25.それでわれは,かれらに報復した。見よ,信仰を拒否した者の最後がどうであったかを。


26.イブラーヒームが,その父とその人びとにこう言った時のことを思い起せ。「本当にわたし


は,あなたがたが崇拝するものと絶縁します。


27.わたしを御創りになり,わたしを必ず御導き下される方にだけ(仕えます。)」


28.かれはそれを,子孫への永遠の言葉として残した。必ずかれらは(主に)返る言葉と(思っ


て)。


29.いや,われは,真理がかれらのところに来て,使徒が(事物を)明瞭にするまで,これらの


者や,その祖先の者を,享楽させた。


30.だが,真理がかれらのところに来たとなると,「これは魔術です。わたしたちは,決してこ


れを信じません。」と言う。


31.またかれらは,「このクルアーンは,何故2つの町の有力な人物に下されなかったのでしょう


か。」と言う。


32.かれらは主の慈悲を割り当てるのか。われは,現世の暮しに必要な物を,あなたがたに配分


し,また或る者を外の者より上に地位を上げ,或る者を外に服させる。あなたの主の慈悲は,か


れらが蓄積したものより,はるかに尊いのである。


33.人間が(凡て不信心な)一団となる恐れがなければ,われは慈悲深き御方を信じない者のた


めに,その家には銀の屋根,それに登るのに(銀の)階段を蝕け,


34.その家には(銀の)扉,またかれらを(銀の)寝床に寄りかからせよう。


35.また金の装飾も(施したであろう)。しかしこれらの凡ては,現世の生活の享楽に過ぎない


。あなたの主の御許の来世こそが,主を畏れる者のためのものである。


36.慈悲深き御方の訓戒に目を瞑る者には,われはシャイターンをふり当てる。それは,かれに


とり離れ難い友となろう。


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37.こうして(悪魔は正しい)道からかれらを拒む,しかもかれらは,自分は(正しく)導かれ


ているものと思い込んでいる。


38.われの許にやって来る時になって,かれは,「わたしとあなた(悪魔)の間に,東と西の隔


たりがあったならば。」と言う。ああ何と悪い友(をもったこと)よ。


39.あなたがたは悪を行っていたのだから,今日となっては何をいっても役立たない。あなたが


たは皆懲罰を受ける。


40.あなたは耳を傾けない者に聞かせることができようか。また目をそらす者や,明らかに迷い


や過ちの中にいる者を,導くことが出来ようか。


41.それで仮令あなたを召し上げても,われは必ずかれらに報復する。


42.またかれらに約束したことを,あなたに見せることも出来る。われがかれらを制圧するなど


いともたやすい。


43.それであなたに啓示したものを,しっかりと守れ。本当にあなたは,正しい道を辿っている





44.これはあなたにとっても,またあなたの人びとにとっても,正しく訓戒である。やがてあな


たがたは,(責務につき)問われるのである。


45.あなた以前にわれが遣わした,使徒たちに問いなさい。われは,慈悲深き御方以外に仕える


べき神々を置いたのか。


46.本当にわれは,ムーサーに様々な印を持たせて,フィルアウンとその長老たちに遺わした。


かれは言った。「わたしは,本当に万有の主の使徒です。」


47.ところが,わが種々の印を現わしたのに,見よ。かれらはそれを嘲り笑った。


48.それでわれが次々にかれらに示した印は,どれもその仲間のものより,偉大なものであった


。そして懲罰をもってかれらを懲らしめた。必ずかれらは(われの許に)帰るであろう(ことを


思って)。


49.その時かれらは言った。「魔術師よ,主があなたと結ばれた約束によって,わたしたちのた


めに祈ってください。わたしたちは本当に導きを受け入れるでしょう。」


50.だが,われがかれらから懲罰を取り除くと,同時にかれらはその約束を破ってしまった。


51.そしてフィルアウンはその民に宣告して言った。「わが民よ,エジプト国土,そしてこれら


足もとを流れる川は,わたしのものではないのですか。あなたがたは(そんなことが)分らない


のですか。


52.わたしは,この卑しい,明瞭に言い表わすこともできない者よりも,優れているのです。


53.何故黄金の腕環がかれに授けられないのですか。また何故天使たちが,付添ってかれと一緒


に遣わされないのですか。」


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54.このようにかれはその民を扇動し,民はかれに従った。本当にかれらは,アッラーの掟に背


く者たちであった。


55.こうしてかれらはわれを怒らせたので,われはかれらに報復し,凡てを溺れさせ,


56.かれらを過去(の民)とし,後世の者のために(戒めの)例とした。


57.マルヤムの子(イーサー)のことが,一例として(クルアーン)に上げられると,見よ。あ


なたの人びとはそれを(嘲笑して)喚きたてる。


58.そしてかれらは,「わたしたちの神々が優るのか,それともかれ(イーサー)か。」と言う


。かれらがかれ(イーサー)のことを言うのは,あなたに,只議論をふりかけるためだけである


。いやはや,かれらは論争好きの民であることよ。


59.かれ(イーサー)は,われが恩恵を施したしもべに過ぎない。そしてかれを,イスラエルの


子孫に対する手本とした。


60.そしてもしわれが望むならば,あなたがたの間から天使を上げ,次ぎ次ぎに地上を継がすこ


とも出来る。


61.本当にかれ(イーサー)は,(審判の)時の印の一つである。だからその(時)に就いて疑


ってはならない。そしてわれに従え。これこそ,正しい道である。


62.悪魔をして,あなたがたを(アッラーの道から)妨げさせてはならない。本当にかれは,あ


なたがたの公然の敵である。


63.イーサーが様々な明証をもってやって来た時言った。「本当にわたしは,英知をあなたがた


に(西?)し,あなたがたが論争することの,多少の部分をあなたがたのために,説き明かすため


である。それでアッラーを畏れ,わたしに従え。


64.本当にアッラーこそはわたしの主であり,またあなたがたの主であられる。かれに仕えなさ


い。これこそ,正しい道である。」


65.だがかれらの間の諸派は,仲栗いした。これら悪を行う者こそ災いである。苦悩の日の懲罰


のために。


66.かれらは,只待っているのか。かれらが意識しない時に,突然やって来る(審判の)時を。


67.その日,主を畏れる者を除いては,(親しい)友も栗いに敵となろう。


68.わがしもべよ,その日あなたがたには恐れもなく,また憂いもない。


69.わが印を信じて,(われの意志に)服従,帰依していた者よ,


70.あなたがた,そしてあなたがたの配偶者も歓喜の中に楽園に入れ。」


71.かれらには数々の黄金の皿や杯が,次々に回され(楽園の)中には各自の望むもの,また目


を喜ばすものがあろう。あなたがたは永遠にそこに住むのである。


316


72.これがあなたがたの行ったことに対し,あなたがたに継がせられた楽園である。


73.そこにはあなたがたのために豊富な果実があり,それにあなたがたは満足する。


74.罪を犯した者は,地獄の懲罰の中に永遠に住む。


75.(懲罰は)かれらのために軽減されず,その中で全く希望を失う。


76.われがかれらに不装を働いたのではない。かれらが(自ら)不義を働いたのである。


77.かれらは,「看守よ,あなたの主に頼んでわたしたちの始末を付けて下さい。」と叫ぶ。し


かし,かれは(答えて),「あなたがたは,滞留していればよいのである。」と言う。


78.われは確かにあなたがたに真理を届けた。だがあなたがたの多くは,真理を嫌った。


79.かれら(マッカの多神教徒たち)は,(使徒に対し)策謀を張り廻らしたつもりだろうが,


われこそ,(かれらに対して策謀を)廻らしてある。


80.それともかれらは,われがかれらの秘めごとや謀議を,聞かないとでも思うのか。いや,わ


が使徒たち(天使)は,かれらの傍らで記録している。


81.言ってやるがいい。「もし慈悲深き御方が子を持たれるなら,このわたしがその最初の崇拝


者となる。


82.天と地の主,(大権の)玉座の主,かれらの配するものを(超絶なされる)主に讃えあれ。





83.それであなたがたは,約束されたかれらの日に当面するまで,かれらを無駄口と戯れに放置


しておくがいい。


84.かれこそは天における神,また地における神であり,英明にして全知であられる。


85.天と地の大権,そしてその間の凡てのものが帰属する方,かれに祝福があるように。またか


れの御許にだけ(審判の)時の知識はあり,われの御許にあなたがたは帰されるのである。


86.かれの外に,かれらが祈るものは,執り成す力を持たない。只真理を実証する者は別である


。かれらは(使徒を)知っている。


87.もしあなたがかれらに,「誰がかれらを創ったのですか。」と問えば,必ず「アッラー。」


と言う。それなのに,かれらはどうして(真理から)迷い去るのか。


88.(われは預言者が)「主よ,これらの者は本当に不信の民です。」と言うのを(聞いた)。


89.(それで主は仰せられた。)かれらから逸れて去りなさい,だが「平安あれ。」と(挨拶し


て)言いなさい。やがてかれらも知るであろう。



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