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SURA 38.サード章


慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において。


1.サード。訓戒に満ちたクルアーンにかけて。


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2.いや,信仰のない者たちは,高慢で反抗的である。


3.われはかれら以前に,どんなに多くの世代を滅ぼしたことであろう。かれらは,もはや逃れ得


ない時となって(慈悲を)請う。


4.またかれらは,自分たちの中から警告者が出たことに驚き,不信心者は言う。「これは魔術師


です。嘘付きです。


5.かれは多くの神々を,一つの神にしてしまうのですか。これは全く,驚きいったことです。」


6.そして,かれらの長老たちは立ち去りながら(その場にいた仲間に言う。)「行きなさい。そ


してあなたがたの神々を守り通しなさい。これは(一神教の教え)全くの企ら・です。


7.わたしたちはこれまでの教えで,こんなことを聞いたことがありません。これは作り話に過ぎ


ません。


8.わたしたちの間で,あんな男にだけ御告げが下ったと言うのですか。」いや,かれらはわれの


訓戒に,疑いを抱いている。いや,かれらはまだわれの懲罰を味わったことがない。


9.それともかれらは,偉力ならびなく,恵・多いあなたの主の,慈悲の宝物を持っているのか。


10.かれらは天地,そしてその間の万有の,大権をもっているのか。それならかれらに手だてを


させて,(天の玉座まで)登らせなさい。


11.しかしあれは,鳥合の衆で只敗走するばかり。


12.かれら以前にも,ヌーフの民,アード(の民)および権勢を張り廻らしたフィルアウンも,


13.またサムード(の民)やルートの民,および森の民も使徒たちを徒党を組んで嘘付き呼ばわ


りした。


14.(これらは)皆使徒たちを嘘付き呼ばわりし,それでわれからの懲罰が確実に下った。


15.これらの者も,かの一声を待つだけである。それには一刻の猶予もない。


16.かれらは,「主よ,わたしたちの授かる分を清算の日以前に,急いで下さい。」と言う。


17.あなたはかれらの言葉を耐え忍べ。そしてわがしもべである堅固の人ダーウードを思え。本


当にかれは,(主の)命令に服して讃美しつつ常に(主の御許に)帰った。


18.われは山々を従わせ,かれと共に朝夕に讃美させ,


19.また鳥類も,集って,凡てのものが主の命令に服して讃美しつつ常に(主の御許に)帰った





20.そこでわれはかれの王権を強化し,英知と断固たる決断力をかれに授けた。


21.あなたは論争者の物語を聞いたのか,人びとが私室の壁を乗り越えて,


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22.ダーウードのところに入って来たのでかれは驚いた。かれらは言った。「恐れることはあり


ません。これが訴訟の当事者の双方です。一方が他方に不正を働きました。真理によってわたし


たちの間を裁いて下さい。不公平がないように,わたしたちを公正な道に御導き下さい。」


23.「これは,わたしの兄です。かれは99頭も雌羊を持っており,わたしは(只)1頭しか持って


いませんでした。ところがかれは,それをも自分に任せなさいと言ったのです。そして言葉巧・


にわたしを言い負かせてしまったのです。」


24.かれ(ダーウード)は,「かれがあなたの羊を,取り込もうとしたのは,確かに不当です。


本当に共同で仕事をする者の多くは,栗いに侵しあう。信仰して善行に勤しむ者は別だが,それ


は稀です。」と言った。(その時)ダーウードは,われがかれを試・たことを喩り,主の御赦し


を請い,礼拝にひれ伏し,悔悟して主の御許に帰った。〔サジダ〕


25.それでわれは,かれ(の過ち)を赦した。かれは(今)本当にわれに近づき,多幸な(悟り


切った)帰り所にいる。


26.「ダーウードよ,われはあなたを地上の代理者にした。だから人びとを,真理によって裁き


,私欲に従って,アッラーの道を踏・はずしてはならない。アッラーの道から迷う者は清算の日


を忘れた者で,必ず厳しい懲罰にあう。」


27.われは天と地,そしてその間にあるものを,戯らに創らなかった。それは信仰のない者の億


測である。だが(いずれ地獄の)火を味わう信仰のない者こそ哀れである。


28.われが信仰して善行に動しむ者と,地上で悪を行う者と同じに扱うことがあろうか。われが


(悪魔に対し)身を守る者と,邪悪の者とを同じに扱うであろうか。


29.われがあなたに下した啓典は,祝福に満ち,その印を沈思黙考するためのものであり,また


思慮ある者たちへの訓戒である。


30.われはダーウードにスライマーンを授けた。何と優れたしもべではないか。かれは梅悟して


常に(われに)帰った。


31.(ある日の)黄昏時,駿馬が,かれに献上された時のことを思い起しなさい。


32.かれは言った。「本当にわたしは,(この世の)素晴しい物をめでて,夜の帳が降りるまで


,主を念ずることを忘れてしまったのです。


33.さあ,その馬を連れて参れ。そしてかれは,馬の足と首を切り落としてしまった。


34.またわれはスライマーンを試・,(病を与え)重態のかれを椅子に据えた。その後かれは回


復し,


35.言った。「主よ,わたしを御赦し下さい。そして後世の誰も持ち得ない程の王国をわたしに


御与え下さい。本当にあなたは豊かに与えられる方です。」


36.そこでわれは,風をかれに従わせた。それはかれの思うままに,その命令によって望む所に


静かに吹く。


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37.またわれはシャイターンたちを,(かれに服従させた。その中には)大工があり潜水夫もあ


り,


38.またその外に,スライマーンの命令に服さず鎖に繋がれた者もいた。


39.(主は仰せられた。)「これがわれの賜物である。あなたが与えようと,控えようと,問題


はない。」


40.かれは(今)われの近くにいて,幸せな(悟りきった)帰り所にいる。


41.わがしもべ,アイユーブを思い起しなさい。かれが主に向かって,「シャイターンがわたし


を悩ませ,苦し・抜いているのです。」と叫んだ時を思い起しなさい。


42.(すると命令が下った。)「あなたの足で(大地を)踏・なさい。そこには清涼な沫浴と飲


料のための(水)があろう。」


43.われは慈悲として,かれに(再び)家族を2倍にして授け,思慮ある者への教訓とした。


44.(そして言った。)「一握りの草を手に取って,それで(妻を)打て。あなたの誓いを破っ


てはならない。」われは,かれが良く耐え忍ぶことを知った。何と優れたしもべではないか。か


れは(主の命令に服して)常に(われの許に)帰った。


45.またわがしもべの,イブラーヒームとイスハークとヤアコーブを思い起しなさい。かれらは


偉力を持ち,洞察力があった。


46.われは,かれらが(来世の)住まいを念じているという純粋な(資質)によって(免じて)


かれらを清めてやった。


47.本当にかれらは,わが目にも選ばれ優れた者であった。


48.またイスマーイールとアル・ヤサアとズ・ル・キフルを思い起せ。かれらは皆優れた者であ


った。


49.これは一つの教訓である。本当に主を長れる者のためには,幸せな帰り所がある。


50.(それは)永遠の楽園であり,その凡ての門はかれらのために開かれる。


51.その中でかれらは(安楽に寝床に)寄りかかり,沢山の果実や飲・物ェ,望・放題である。


52.また傍には,伏し目がちの同じ年頃の(乙女)が侍る。


53.これらは清算の日のために,あなたがたに約束されるものである。


54.本当にこれは,尽きることのない(あなたがたへの)賜物である。


55.(主を畏れる者は)このようである。だが反逆の徒には,悪い帰り所があろう。


56.それは地獄である。かれらはそこで焼かれよう。何と悪い臥所であろうか。


57.(実に)これは,こういうことだがかれらは煮え立つ湯と膿を味わされ,


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58.その外,これに類する(懲罰)をとり合わせて受けることになる。


59.これはあなたがたと一緒に,むや・に突き進む一群である。かれらには歓迎の言葉もない。


火獄で焼かれるだけである。


60.かれらは(火獄の仲間はかれらの指導者たちに)言う。「いや,歓迎されないのは,あなた


がたです。わたしたちのために,こう仕向けたのはあなたがたです。何と悪い住まいに来たもの


でしょう。」


61.するとかれらは言う。「主よ,わたしたちをここに連れて来た者には,火獄で倍の懲罰を御


加え下さい。」


62.かれら(火獄の仲間)は言う。「わたしたちが悪人の中に数えていた人びとが見えないので


す。どうしたのでしょう。


63.わたしたちが嘲笑していた者(が見えない)。かれらは,(わたしたちの)目をくらませた


のではないでしょうか。」


64.本当にこれは真相で,火獄の仲間の論争である。


65.言ってやるがいい。「わたしは警告者に過ぎない。唯一の方,抵抗出来ない方,アッラーの


外には神はないのである。


66.天と地,そしてその間の万有の主,偉力ならびなく寛容であられる。」


67.言ってやるがいい。「これは至高の知らせである。


68.あなたがたは,それから背き去るが。


69.且つて(天使の)高い位階の者たちの論議については,わたしは何の知識もなかった。


70.これがわたしに啓示されたのは,只わたしが公明に警告するためである。」


71.あなたの主が,天使たちに,「われは泥から人間を創ろうとしている。」と仰せられた時を


思え。


72.「それでわれが,かれ(人間)を形作り,それに霊を吹き込んだならば,あなたがたは伏し


てかれにサジダしなさい。」


73.そこで天使たちは,皆一斉にサジダしたが,


74.イブリースだけはそうしなかった。かれは高慢で,信仰を拒む者となった。


75.かれは仰せられた。「イブリースよ,われの手ずから創ったものにサジダするのに,何があ


なたを妨げたのか。あなたは高慢なのか,それとも高い(偉力ある)者なのか。」


76.かれは申し上げた。「わたしはかれ(人間)よりも優れています,あなたは火でわたしを御


創りになりましたが,かれは泥で創られただけです。」


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77.かれは仰せられた。「それならあなたは,ここから出て行きなさい,本当に忌まわしいから





78.そしてわれからの見限りは,審判の日まで必ずあなたの上にあろう。」


79.かれは申しあげた。「主よ,かれらが呼び起こされる日まで,猶予を願います。」


80.かれは仰せられた。「あなたを猶予しよう。


81.定められた日時まで。」


82.かれは申し上げた。「それでは,あなたの御威光にかけて誓います。わたしはかれら(人間


)凡ての者を誘惑します。


83.かれらの中の,あなたの謙虚なしもべを除いては。」


84.かれは仰せられた。「それは真実である。われからも真実を言う。


85.われは,あなたとあなたに従う凡ての者で,地獄を満たすであろう。」


86.言え,「わたしはこの(クルアーン)


に対し何の報酬もあなたがたに求めない。またわたしは偽善者ではない。


87.これは諸民族に対する訓戒に外ならない。


88.時が来たら,あなたがたはそれが其実であることを必ず知るであろう。」


SURA 39.集団章 〔アッ・ズマル〕


慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において。


1.この啓典の啓示は,偉力ならびなく英明であられるアッラーから(下されたもの)である。


2.本当にわれは真理によって,あなたにこの啓典を下した。それでアッラーに仕え,信心の誠を


尽せ。


3.信心の誠を尽して仕えるのは,アッラーに対し当然ではないか。だがかれを差し置いて(他に


)保護者を求める者は,「わたしたちがかれら(神々)に仕えるのは只わたしたちがアッラーの


御側に近づくためである。」(という)。本当にアッラーはかれらの異なる点について,必ずそ


の間を裁決なされる。アッラーは,虚偽で恩を忘れる者を御導きになられない。


4.アッラーが子を持とうと御望・なら,御自分の創られるものの中から,望・の者を選ばれる。


かれに讃えあれ。かれはアッラー,唯一にして(万有の)征服者である。


5.かれは真理をもって天地を創造なされ,夜をもって昼を覆いまた昼をもって夜を覆わせ,太陽


と月を服従させてそれぞれ定められた周期に運行させる。本当にかれは,偉力ならびなくよく赦


される方である。


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6.かれはあなたがたを一つの魂から創り,それからその配偶者を創り,またかれは8頭の家畜を


雌雄であなたがたに遣わされた。かれはあなたがたを母の胎内に創られ,3つの暗黒の中におい


て,創造につぐ創造をなされた。このように,あなたがたの主アッラーに大権は属する。かれの


外に神はないのである。なのにあなたがたはどうして背き去るのか。


7.もしあなたがたが信じなくても,アッラーはあなたがたを必要とされない。だがかれは,しも


べたちの不信心を喜ばれはしない。しかし感謝するならば,かれは喜ばれる。重荷を負う者は,


外の者の重荷を負うことは出来ない。やがてあなたがたは,自分の主の御許に帰るのである。そ


の時かれは,あなたがたの(現世における)行いの凡てを御告げになる。本当にかれは,(人び


との)胸に抱くことを熟知なされる。


8.人間は災厄に会えば主に祈り,梅悟してかれに返る。だが,恩恵がかれの御許から授けられる


と,先に祈ったことを忘れて,アッラーに同位者を配し,かれの道から(人びとを)迷わせる。


言ってやるがいい。「あなたは,束の間の不信心(の生活)を享楽するがよい。本当にあなたは


,火獄の仲間である。」


9.夜に眠らず目を覚ましている時に,サジダしあるいは立って礼拝にうちこんで,来世に備え,


また主の御慈悲を請い願う者(がそうではない者と同じであろうか)。言ってやるがいい。「知


っている者と,知らない者と同じであろうか。」(しかし)訓戒を受け入れるのは,思慮ある者


だけである。


10.言ってやるがいい。「信仰するわれのしもべたちよ,主を畏れなさい。現世において善行を


なす者には,善い(報酬)がある。アッラーの大地は広いのである。よく耐え忍ぶ者は本当に限


りない報酬を受ける。」


11.言ってやるがいい。「わたしはアッラーに,信心の誠を尽して仕えるよう命じられ,


12.またわたしはムスリムの先達であるよう命じられている。」


13.言ってやるがいい。「わたしがもし,主に背くようなことがあれば,偉大な日の懲罰が恐ろ


しい。」


14.言ってやるがいい。「わたしはアッラーに誠を尽して仕えます。


15.あなたがたは,かれを差し置いて,欲するものに仕えるがいい。」言ってやるがいい。「本


当に失敗者とは,審判の日に,自らの魂とその家族を失う者である。本当にそれは明らかな失敗


である。」


16.かれらの上は火の覆い,かれらの下も(火の)床であろう。このようにアッラーはしもべに


警告なされる。「しもべたちよ,だからわれを畏れよ。」


17.邪神〔ターグート〕を避けて,尊信せず悔悟して,アッラーの許に帰る者には吉報があろう


。だからわがしもべたちに吉報を伝えなさい。


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18.御言葉を聞いて,その中の最も良いところに従う者たちに。これらはアッラーが導かれた者


であり,これらこそ思慮ある者たちである。


19.だがかれに対し審判があって,懲罰の御言葉が下った者を(誰が助けられよう)。あなたは


火獄の中にいる者を,救えるとでも言うのか。


20.だが主を畏れる者に対しては,館の上に館の高楼があり,その下には川が流れる。アッラー


の御約束である。アッラーは決して約束を破られない。


21.見ないのか,アッラーが天から雨を降らせられ,それを地中に入らせて泉となされ,それか


ら色とりどりの,植物を生えさせ,やがてそれらが枯れて黄色になるのを。それから,それを乾


かして,ぼろぼろの屑になされる。本当にこの中には,思慮ある者への教訓がある。


22.アッラーが,胸を開きイスラームとし,主からの御光を受けた者が同じであろうか。災いな


るかな,アッラーの啓示を頑なに拒む者こそ,明らかに心迷える者である。


23.アッラーはこの上ない素晴しい言葉を,栗いに似た(語句をもって)繰り返し啓典で啓示な


された。主を畏れる者は,それによって肌は戦き震える。その時アッラーを讃え唱念すれば肌も


心も和ぐ。これがアッラーの御導きである。かれは御心に適う者を導かれる。だがアッラーが迷


うに任せた者には,導き手はない。


24.それで審判の日の痛苦を顔に受ける者はどうであろう。不義者に対しては言われよう。「あ


なたがたが行って得たこと(の罰)を味わえ。」


25.かれら以前の者も(また啓示を)拒否した。それで思いもかけない方面から,懲罰がかれら


に下った。


26.アッラーは現世の生活においても,かれらに屈辱を味わわせられる。だが来世における懲罰


は更に大きい。ああ,かれらがそれを知っていたならば。


27.またわれは各種の比喩を入びとのために,このクルアーンの中で提示した。かれらが訓戒を


受け入れればよいと思って。


28.少しも曲ったところのない,アラビア語のクルアーンで必ずかれらはわれを畏れること(を


知る)であろう。


29.アッラーは一つの比喩を提示なされる。多くの主人がいて栗いに争う者と,只一人の主人に


忠実に仕えている者とこの2人は比べて・て同じであろうか。アッラーに讃えあれ。だが,かれ


らの多くは分らないのである。


30.本当にあなたは(何時かは)死ぬ。かれらもまた死ぬのである。


31.それから審判の日に,あなたがたは主の御前で,論争す(ることになり裁きを受け)る。


32.アッラーについて嘘を言い,また自分のもとに真理が来るとこれを拒否する者以上に,不義


な者があろうか。地獄には,不信心者への住まいがないとでもいうのか。


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33.だが真理を(西?)す者,またそれを確認(して支持)する者,これらは正義を行う者である。


34.かれらはアッラーの御許で,何でも望むものを得られよう。これは善行をなす者への報奨で


ある。


35.それでアッラーは,かれらの行いの最悪のものでも消滅なされ,かれらの行った最善のもの


をとって報奨を与えられる。


36.アッラーはそのしもべにとって万全(な守護者)ではないか。だがかれらはかれ以外(の神


々)をもって,あなたを脅そうとする。アッラーが迷うに任せた(このような)者には導きはあ


り得ない。


37.アッラーが導く者を,迷わせる者は誰もいない。アッラーは(その御意志を実現なされる)


偉力ならびなき方であり,応報の主である。


38.もしあなたがかれらに,「天地を創ったのは誰か。」と問えば,かれらは必ず「アッラー。


」と言うであろう。言ってやるがいい。「それならあなたがたは考えないのか。アッラーの外に


あなたがたの祈るものたちは,もしアッラーがわたしに対し災厄を御望・の時,かれの災厄を除


くことが出来るのか。またわたしに対し慈悲を御望・の時,かれの慈悲を拒否することが出来る


か。」言ってやるがいい。「わたしは,アッラーがいれば万全である。きちんと信頼しようとす


る者は,かれを信頼する。」


39.言ってやるがいい。「わたしの人々よ,あなたがたの好きなように行え。わたしは(自分の


役目を)行う。やがてあなたがたは知るであろう。


40.誰に恥ずべき懲罰が来るのか,また誰に永遠の懲罰が下るのかを。」


41.われは人びとのため,真理によってあなたに啓典を下した。それで誰でも,導きを受ける者


は,自分を益し,また誰でも迷う者は,自分を損うだけである。あなたはかれらの後見人ではな


い。


42.アッラーは(人間が)死ぬとその魂を召され,また死なない者も,睡眠の間(それを召し)


,かれが死の宣告をなされた者の魂は,そのままに引き留め,その外のものは定められた時刻に


送り返される。本当にこの中には,反省する人びとへの種々の印がある。


43.かれらはアッラー以外に,執り成す者を求めるのか。言ってやるがいい。「かれら(邪神た


ちに)は何の力もなく,また何も理解しないではないか。」


44.言ってやるがいい。「執り成し(の許し)は,凡てアッラーに属する。天と地の大権はかれ


の有である。やがてあなたがたはかれの許に帰される。」


45.アッラーだけが述べられると,来世を信じない者たちの心はうんざりする。だがかれではな


く外(の神々)が述べると,見よ,かれらは喜ぶ。


46.(祈って)言いなさい。「おおアッラー,天と地の創造者,幽玄界と現象界を知っておられ


る方,あなたは,しもべたちの間で意見を異にすることに就いて,御裁きになる。」


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47.仮令悪を行う者が,地上の凡てのもの,なおそれに倍するものを所有し,審判の日における


懲罰の苦難から,逃れる身代金にしようと思っても(無益である)。その時かれらが思い及ばな


かったことが,アッラーからかれらに現わされよう。


48.かれらの稼いだ,沢山の悪事に出合い,嘲笑していたものが,かれらを取り囲むであろう。


49.人は災厄に会うとわれに祈る。だがわれがそれを恩恵に変えると,「本当に,自分の知識に


よるものであった」と言う。いや,これも一つの試・である。だがかれらの多くは理解しない。


50.かれら以前の者も,このように言った。だがかれらの稼いだものは,益するところなどなか


った。


51.そしてかれらの稼いだ悪い結果の数々が,かれらを襲った。これで不義を行った者は,その


行いの悪い諸結果に,やがて直面する。かれらは,(わが計画を)決して砕くことは出来ない。


52.かれらは,アッラーが御望・の者に糧を広げまた引き締められることを知らないのか。本当


にこの中には,信仰する民への印がある。


53.自分の魂に背いて過ちを犯したわがしもべたちに言え,「それでもアッラーの慈悲に対して


絶望してはならない」アッラーは,本当に凡ての罪を赦される。かれは寛容にして慈悲深くあら


れる。


54.あなたがたは懲罰が来る前に,主に梅悟して帰り,かれに服従,帰依しなさい。その(懲罰


がやって来た)後では,あなたがたは助からない。


55.あなたがたが気付かない中,突然懲罰がやって来る前に,主からあなたがたに下された最も


善い(道)に従え。


56.魂がこのように言わないよう。『ああ情ない,わたしはアッラーヘ(自分の義務を)怠って


いた。本当にわたしは嘲笑者の一人であった。』


57.または,『アッラーがわたしを,御導き下されたならば,わたしは必ず主を畏れたものを。


』と言わないよう。


58.また懲罰を見た時,『わたしかもう一度(現世に)帰れるならば,わたしは必ず善い行いを


する者の一人になるであろう。』と言わないよう。


59.いやそうではない。確かにわが印は下ったのであろ。だがあなたがたはそれを嘘であるとし


た。そして高慢で不信心な一人となった。」


60.審判の日,あなたはアッラーに対し虚偽を語った者たちを見よう。かれらの顔は黒く変るで


あろう。地獄には,高慢な者の住まいがないと言うのか。


61.だがアッラーは,主を畏れた者を安泰な場所に救う。かれらは災厄に会うこともなく,憂い


もない。


62.アッラーは,凡てのものの創造者であり,また凡てのものの管理者である。


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63.天と地の鍵はアッラーの有である。かれの印を拒否した者こそ失敗者である。


64.言ってやるがいい。「あなたがたは,アッラーを差し置いて外に仕えるようわたしに命じる


のか,無知な者たちよ。」


65.われは既にあなたに啓示した。あなた以前の者たちに(啓示)したように。もしあなたが(


邪神をわれに)配したならば,(現世における)あなたの行いは虚しいものになり,必ず失敗者


となるのである。


66.いや,アッラーに仕えて,感謝する者となれ。


67.かれらは,アッラーを正しい仕方では尊崇しない。審判の日においてはかれは,大地の凡て


を一握りにし,その右手に諸天を巻かれよう。かれに讃えあれ。かれは,かれらが配するものの


はるか上に高くおられる。


68.ラッパが吹かれると,天にあるものまた地にあるものも,アッラーが御望・になられる者の


外は気絶しよう。次にラッパが吹かれると,見よ,かれらは起き上って見まわす。


69.その時大地は主の御光で輝き,(行いの)記録が置かれ,預言者たちと証人たちが進・出て


,公正な判決がかれらの間に宣告され,(少しも)不当な扱いはされない。


70.人びとは,その行ったことに対して,十分に報いられよう。かれは,かれらの行った凡てを


最もよく知っておられる。


71.不信者は集団をなして地獄に駆られ,かれらがそこに到着すると,地獄の諸門は開かれる。


そして門番が言う。「あなたがたの間から出た使徒は来なかったのですか。(そして)主からの


印をあなたがたのために読誦し,またあなたがたのこの会見の日のことを警告しなかったのです


か。」かれらは(答えて)言う。「その通りです。そして不信者に対する懲罰の言葉が,真に証


明されました。」


72.(かれらは)「あなたがたは地獄の門を入れ。その中に永遠に住・なさい。」と言われよう


。何と哀れなことよ,高慢な者の住まいとは。


73.またかれらの主を畏れたものは,集団をなして楽園に駆られる。かれらがそこに到着した時


,楽園の諸門は開かれる。そしてその門番は,「あなたがたに平安あれ,あなたがたは立派であ


った。ここに御入りなさい。永遠の住まいです。」と言う。


74.かれらは(感謝して)言う。「アッラーに讃えあれ。かれはわたしたちへの約束を果たし,


わたしたちに大地を継がせ,この楽園の中では,好きな処に住まわせて下さいます。」何と結構


なことよ,(善)行に勤しんだ者への報奨は。


75.あなたは見るであろう,天使たちが八方から玉座を囲んで,主を讃えて唱念するのを。人び


との間は公正に裁かれ,「万有の主,アッラーにこそ凡ての称讃あれ。」と(言う言葉が)唱え


られる。


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SURA 40.ガーフィル章


慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において。


1.ハー・ミーム。


2.この啓典は,偉力ならびなく全知なるアッラーから下されたものである。


3.罪を赦し,悔悟を受け入れ,懲罰には厳しい方で,惜・なく与える主であられる。かれの外に


神はなく,誰でも行き着くところはかれの御許である。


4.不信心な者以外は,誰もアッラーの印に就いて議論などしない。だからかれらが諸都市を往来


するのに,惑わされてはならない。


5.かれら以前にもヌーフの民やその後の人びとは,(預言者を)嘘付き呼ばわりした。そしてこ


れら(不信心)の徒は,かれらの預言者に策謀し,かれら(使徒)を捕まえて詰まらない議論を


吹きかけ,真理を非難した。そこでわれはかれらを捕えた。わが懲罰は何と厳しかったことよ。


6.このように,あなたがたの主の御言葉は,不信心の者たちの上に実証される。かれらは本当に


業火の仲間である。


7.(主の)玉座を担う者たち,またそれを取り囲む者たちは,主の御光を讃え,かれを信仰し,


信じる者のために御赦しを請い,祈って(言う)。「主よ,あなたの慈悲と知識は,凡てのもの


の上にあまねく及びます。梅悟してあなたの道を踏む者たちを赦され,かれらを炎の懲罰から御


守り下さい。


8.主よ,あなたがかれらに御約束なされたアドン(エデン)の国に,かれらを入れて下さい。ま


たかれらの祖先,配偶者と子孫の中の正しい者を。本当にあなたは,偉力ならびなく英明であら


れます。


9.かれらを悪から御守り下さい。その日,あなたが諸悪から御守り下された者は,本当に慈悲に


浴した者であり,それこそ,偉大な成就です。」


10.そして不信心の者たちには申し渡されよう。「あなたがた栗いの愛想ずかしよりも,アッラ


ーからのあなたがたへの嫌悪は,はるかに大きいのである。あなたがたは,信仰を勧められたの


に,断っていたのである。」


11.かれらは申し上げよう。「主よ,あなたはわたしたちを2度死なせ,2度甦らされました。今


わたしたちは罪業を認めました。何とか脱出する道はないですか。」


12.(すると答えられよう。)「そんなことになったのは,唯一なるアッラーを崇めることは拒


否したが,かれに同位者が配される時には信じた。つまり裁決は,至高にして至大なアッラーに


属するのである。」


13.かれこそは種々の印をあなたがたに示し,あなたがたのために天から御恵・を下される方で


ある。だが,悔悟して(主に)帰る者だけは,訓戒を受け入れる。


299


14.それであなたがたは,アッラーに誠意を尽して托し,かれに祈願しなさい。譬え不信者たち


が忌・嫌っても。


15.かれは至高の位階におられ玉座の主であられる。かれはしもべの中御心に適う者に,御命令


により聖霊を遣わし,(人びとに)会見の日を警告なされる。


16.この日,かれら(凡て)が,罷り出る時,何事もアッラーに隠しだては出来ない。その日大


権は,誰にあるのか。(それは)唯一なる御方,抵抗出来ない御方,アッラーに属する。


17.その日,各人は行ったことによって報いられる。不正のない日である。本当にアッラーは清


算に迅速であられるB


18.だからあなたは,近付いているその日に就いてかれらに警告しなさい。その時かれらの心臓


は喉元に上って塞ぎ,息を止める。悪行の者には一人の友もなく,執り成す者がいたにしても聞


きいれられない(その日のことを)。


19.(アッラーは)目つきも,胸に隠すことをも凡て知っておられる。


20.アッラーは,真理によって御裁きになる。だがかれを差し置いて,かれらの祈る者たちは,


何も裁くことは出来ない。本当にアッラーは,全聴にして凡てを見透される。


21.かれらは地上を旅して,かれら以前の者の最後がどうであったかを観察しないのか。かれら


は,これら(マッカの多神教徒)よりも有力で,地上に残す遺跡においても優れていた。しかし


アッラーは,かれらを罪のために捕えられた。その時アッラーから,かれらを守れる者は一人も


なかった。


22.かれらの使徒たちが,明証を(打?)した時,かれらはそれを拒否した。それでアッラーは


かれらを捕えられたのである。本当にかれは強力で,懲罰に厳重であられる。


23.先にわれは,わが印と明らかな権威をもってムーサーを遺わした。


24.フィルアウンとハーマーンとカールーンに。だがかれらは「嘘付きの魔術師です。」と言っ


た。


25.かれがわが許から真理を(有?)したのに,かれらは,「かれと共に信仰している者の男児を殺


し,女児を生かしておきなさい。」と言った。だが不信者の策謀は,失敗に柊る外はない。


26.フィルアウンは言った。「ムーサーを殺すことは,わたしに任せなさい。そしてかれの主に


祈らせなさい。かれがあなたがたの宗教を変えて,国内に災厄を引き起こしはしないかと,わた


しは心配でなりません。」


27.ムーサーは言った。「本当にわたしは,清算の日を信じない凡ての高慢な者に対して,わが


主,また,あなたがたの主(の守護)を,祈るのです。」


28.フィルアウンの一族の中で,密に信仰している一人の信者が言った。「あなたがたの主から


明証を(有?)し,『わたしの主はアッラーである。』と言っただけのために,人ひとりを殺そ


うとするのですか。もしその人が嘘付者であれば,その嘘はその人の身の上に降りかかり,その


300


人が真実を言っているのならば,その人が警告することの一部分はあなたがたの身の上に降りか


かるでしょう。本当にアッラーは無法者と嘘付者を御導きになられない。


29.わたしの人びとよ,今,主権はあなたがたのものであり,あなたがたはこの地上の主人です


。だがアッラーの懲罰が下ると,誰がわたしたちを救えるでしょうか。」フィルアウンは言った


。「わたしは(自分の)見えるところを,あなたがたに示すだけです。また(それが)あなたが


たを,正しい道に導くのです。」


30.そこでかの信仰する者は言った。「人びとよ,わたしは,(信仰を拒否した)各派の人びと


の(運命の)日のようなものが,あなたがたに(下るのが)恐ろしいのです。


31.またヌーフ,アード,サムードの民と,その後の諸民族の上に下ったような運命を(恐れる


)。本当にアッラーは,そのしもべに対し不義を御望・になられません。


32.人びとよ,わたしはあなたがたのために,あなたがたが栗いに相呼び合う日を恐れます。


33.その日あなたがたは,背を向けて逃げるでしょう。しかしアッラーからあなたがたを守る者


はいません。アッラーが迷うに任せられる者には導き手はいません。」


34.本当に以前ユースフが明証を(打?)した時も,かれが(お?)したものに就いて,あなたがたは疑


いを抱いて止まなかった。かれが死んだ時になって,あなたがたは,『かれの後にアッラーは,


使徒を遣わされないでしょう。』と言った。このようにアッラーは,無法者と懐疑者を,迷うに


任せられる。


35.何の権威も与えられないのにアッラーの印について論う者は,アッラーからもまた信者たち


からも酷く忌・嫌われよう。このようにアッラーは,凡ての高慢で暴逆な者の心を封じられる。





36.フィルアウンは(大臣に命じて)言った。「ハーマーンよ,わたしのために高い塔を建てな


さい。わたしが(天国の)門に到達出来るように。


37.そうすればムーサーの神を見るでしょう。どうせかれ(ムーサー)は嘘をついているに違い


ないのですが。」このようにフィルアウンには,自分の悪い行いが立派に見えて,(正しい道)


から締め出されてしまった。tィルアウンの策謀は,破滅を(西?)すだけであった。


38.かの信仰する人は言った。「人びとよ,わたしに従いなさい。正しい道にあなたがたを導き


ます。


39.人びとよ,現世の生活は束の間の享楽に過ぎません。本当に来世こそは永遠の住まいです。


40.悪事を行った者は,それと同じ報いをうけます。だが善行をする者は,男でも女でも信者な


ら凡て楽園に入り,そこで限りない御恵・を与えられます。


41.人びとよ,これはどうしたことか。わたしはあなたがたを救おうと招くのに,あなたがたは


火獄にわたしを招くとは。


301


42.あなたがたは,アッラーを敬わないで,わたしの知らないものをかれと一緒に配するよう勧


めます。だがわたしはあなたがたを,偉力ならびなき方,度々赦しなされる方に招くのです。


43.正しくあなたがたは,現世でも来世でも祈りを受ける権能のないものにわたしを招きます。


本当にわたしたちの帰る所はアッラーの御許で,反逆の徒は火獄の仲間です。


44.わたしが言ったことを,やがて思い出すでしょう。わたし(自身)のことはアッラーに委ね


ています。アッラーはしもべたちを見守られます。」


45.そこでアッラーは,かれらの策謀の災厄から,かれを救われ,懲罰の災難が,フィルアウン


の一族を取り囲んだ。


46.かれらは朝にタベに業火に晒され,それから時が到来するその日,「フィルアウンの一族を


,最も厳しい懲罰に投げ込め。」(と仰せられよう)。


47.見よ,かれらは獄火の中で栗いに口論する。弱者たちは,高慢であった者たちに言う。「わ


たしたちは,あなたがたに従っていました。あなたがたは獄火の一部を,わたしたちから取り除


いてくれてもよいではありませんか。」


48.高慢であった者は(答えて言う)。「本当にわたしたちは,皆その中にいます。アッラーは


しもべたちの間を,もう判決されてしまった。」


49.そこで,獄火の中にいる者たちは,地獄の看守(天使)にいう。「この懲罰が,一日(でも


)わたしたちから軽くなるよう,あなたの主に嘆願して下さい。」


50.かれら(天使)は言う。「使徒が,あなたがたに明証を持って行かなかったのか」。かれら


は(答えて)言う。「その通りです。」かれら(天使)は言う。「それなら祈るがいい。」しか


し,これら不信心者の嘆願は,誤り(の迷路)に(虚しくさ迷って)いるだけである。


51.本当に現世の生活においても,また証人たちが(証に)立つ日においても,われは必ずわが


使徒たちと信仰する者たちを助ける。


52.その日,悪行をした者の弁解は無益で,かれらには責め苦があり,悪い住まいだけがある。


53.われはムーサーにしっかりと導きを授け,イスラエルの子孫に,その啓典を継がせた。


54.(それは)思慮ある者への導きであり,訓戒である。


55.だから耐え忍べ。本当にアッラーの約束は真実である。あなたは過誤の赦しを請い願い,朝


夕,主を讃えて唱念しなさい。


56.何の権威も授かっていないのにアッラーの啓示に就いて論う者は,胸の中につか・ようのな


い高慢だけを抱く者である。だからあなたがたはアッラーの加護を請いなさい。本当にかれは全


聴にして凡てを見透される御方である。


57.天と地の創造は,人間の創造などよりも俸大である。だが人びとの多くはそれを理解しよう


とはしない。


302


58.盲人と正常の目の人とは同じではなく,また信仰して善行に勤しむ者と,悪行の徒とは同じ


ではない。訓戒を留意する者は稀である。


59.本当にその時は,確実に来るのである。それに疑いの余地はない。だが人びとの多くは信じ


てはいない。


60.それであなたがたの主は,仰せられる。「われに祈れ。われはあなたがたに答えるであろう


。だがわれに仕えるのに高慢な者たちは,必ず面目潰れの中に地獄に陥るであろう。」


61.アッラーこそは,あなたがたのために夜を蝕けて憩いの時とされ,またものが見えるように


昼を蝕けられる方である。アッラーは人間に対し,本当に恵・深くあられる。だが人びとの多く


は感謝しない。


62.これこそは,あなたがたの主アッラー,万有の創造の主であられる。かれの外には神はない


のである。それなのにどうしてあなたがたは迷い去るのか。


63.アッラーは印を拒否する者を,このように迷わせられる。


64.アッラーはあなたがたのために大地を安息所とされ,大空を天蓋となされ,また,あなたが


たに見事な姿を授けて,形作り,色々な良い御恵・を支給された方である。これが,あなたがた


の主アッラーであられる。万有の主アッラーに讃えあれ。


65.かれは永生であられ,かれの外に神はない。だからかれに祈り,信心の誠を尽してかれに傾


倒せよ。万有の主アッラーに讃えあれ。


66.言ってやるがいい。「わたしはあなたがたが,アッラーを差し置いて崇拝するものに,仕え


ることを禁じられた。主からの明証が,わたしに下され,万有の主に,服従,帰依するよう命じ


られたのである。」


67.かれこそは,泥からあなたがたを創られ,次いで一滴の精液から,次いで,一かたまりの血


から赤ん坊にされて,あなたがたを出生させ,それから十分な力量を備えさせ,それから老いさ


せられる方である。あなたがたの中(老いる)前に死ぬ者もいるが既定の時期にまで達せられる


ことは,あなたがたに反省させるためである。


68.かれこそは生を授け,また死を授ける方である。かれが一事を決められそれに対し「有れ。


」と仰せになれば,即ち有るのである。


69.あなたがたはアッラーの啓示に就いて,論う者を見なかったのか。かれらは何と背き去った


ことよ。


70.これらは啓典を虚偽であるとし,またわれが遣わした使徒たちの(西?)す消息を,虚偽で


あるとする者。やがてかれらは思い知るであろう。


71.加がかれらの首に(墳?)められ,また鎖が巻かれ,かれらは引かれるであろう。


72.沸騰する湯の中に,それから火獄の中に投げ込まれる。


303


73.その時かれらに言われよう。「あなたがたが崇拝していた神々は何処にいるのか。


74.アッラーを,差し置いていたのか。」かれらは(答えて,)「かれら(神々)は,わたした


ちから離れ去りました。いや,わたしたちは以前,何も(実巧のものに)祈ってはいなかったの


です。」と言う。このようにアッラーは不信心の者を迷うに任せられる。


75.それもあなたがたが地上で,正しくない歓楽を追求し,また横柄であったためである。


76.あなたがたは地獄の門を入り,その中で永遠に住め。何と高授の者の住まいの哀れなことよ





77.あなたがだは耐え忍べ。本当にアッラーの約束は真実である。われがかれらに約束した一端


をあなたに示すこともあろう。またはあなたを(その前に)召すことも。だがどちらにしても,


かれらはわれの許に帰されるものである。


78.われはあなた以前にも,使徒たちを遣わした。その或る者に就いてはあなたに語り,また或


る者に就いては語ってはいない。だがどの使徒も,アッラーの御許しによる外,印を(宙?)す


ことはなかった。そしてアッラーの大命が下れば,真理に基づいて裁かれる。そのとき,虚偽に


従った者たちは滅びる。


79.アッラーは,あなたがたのため家畜を創られた方で,あなたがたは,その或るものは乗用に


,或るものは食用に用いる。


80.あなたがたはそれらに,様々の便益を被り,あなたがたの胸に抱く望・も,それらによって


満たし,またその背や船によってあなたがたは運ばれる。


81.そしてかれは種々の印を,(絶えず)あなたがたに示される。一体アッラーの印のどれをあ


なたがたは否定するのか。


82.かれらは地上を旅して,観察しなかったのか。かれら以前の者の結末がどうであったかを。


かれら(滅ぼされた民)は,これら(マッカの多神教徒)よりも多数で,力も優れ,地上の遺跡


も多い。それでも,かれらの稼いだことは,何の役にも立たなかった。


83.かれらの使徒たちが種々の明証をもってかれらの処に来た時,かれらはその持っている知識


(と技術)を誇った。だが,かれらの嘲笑していたことが,かれらを取り囲んでしまった。


84.それからかれらは,われの懲罰を見る時になって,「わたしたちは,唯一なるアッラーを信


じる。そしてかれに配していたものを拒否する。」と言った。


85.しかしわれの懲罰を見てからの信仰(の告白)は,かれらの役には立たない。(これは)ア


ッラーのしもべに対してなされたかれの慣行であった。そして,不信者たちは滅び去った。



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