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SURA 24.御光章 〔アソ・ヌール〕


慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において。


1.(これは)われが下した1章〔スーラ〕。われが定めたもので,明瞭な種々の印をその中に下


した。必ずあなたがたは留意するであろう。


2.姦通した女と男は,それぞれ100回鞭打て。もしあなたがたが,アッラーと末日を信じるなら


ば。アッラーの定めに基づき,両人に対し情に負けてはならない。そして一団の信者に,かれら


の処刑に立会わせなさい。


3.姦夫は,姦婦かまたは多神教徒以外(の女)とは,結婚することは出来ない。姦婦もまた,姦


夫かまたは多神教徒以外(の男)とは,結婚することは出来ない。このことは信者に対し禁じら


れる。


4.貞節な女を非難して4名の証人を上げられない者には,80回の鞭打ちを加えなさい。決してこ


んな者の証言を受け入れてはならない。かれらは主の掟に背く者たちである。


5.しかし,その後悔いて自ら改める者は別である。本当にアッラーは寛容にして慈悲深くあられ


る。


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6.自分の妻を非難するもので,自分以外に証人のない場合は,単独の証言で,自分の真実なこと


をアッラーに誓けて4度誓う。


7.そして5度目に,「もし自分の言葉が虚偽なら,アッラーの御怒りが自分の上に(下るように


)。」(と誓う)。


8.また,かの女から,その懲罰を免じられる。つまりもしかの女が,アッラーに誓けてかれ(夫


)の言葉が虚偽であることを4度誓い,


9.そして5度目に,「もし(夫の言葉が真実ならば,アッラーの御怒りが自分の上に(下るよう


に)。」(と誓うならば)。


10.アッラーの恩恵があなたがたの上になく,慈悲もなかったならば(どうであろう。)本当に


アッラーは,度々悔悟を許される英明な方であられる。


11.本当にこの虚言を広めた者は,あなたがたの中の一団である。これをあなたがたへの災いと


思ってはならない。いや,それはあなたがたのため良いことである。かれらの中それぞれの者は


,その稼いだ罪によ(り罰せられ)る。なかでもそれに大きく関与した者は,厳しい懲罰に処せ


られるのである。


12.あなたがたはそれを聞いた時,信者の男も信者の女も,自分自身で何故好意ある考えをしな


かったのか。そして,「これは明らかに中傷である。」と何故言わなかったのか。


13.かれらは何故,これに対し4名の証人を挙げなかったのか。証人を出さなかったので,これら


の者はアッラーの御目には虚言の徒である。


14.もしあなたがたに対するアッラーの恩恵と,現世と来世でかれの慈悲がなかったならば,こ


の事件に就いて(不謹慎に)話したことに対し,厳しい懲罰に処せられたところであった。


15.見なさい。あなたがたは舌先でそれを受け止め,またあなたがたの口は,自分の知らないこ


とを言った。そしてアッラーの御目には重大なことを,軽く考えていた。


16.あなたがたはそれを聞いた時,何故こう言わなかったのか。「これはわたしたちの口にすべ


きことではない。アッラーに讃えあれ。これは大変な中傷である。」


17.アッラーは,もしあなたがたが信者なら,このようなことを決して繰り返してはならないと


戒められる。


18.アッラーは,あなたがたに印を解き明かされる。本当にアッラーは全知にして英明であられ


る。


19.信仰する者の間にこの醜聞が広まることを喜ぶ者は,現世でも来世でも,痛ましい懲罰を受


けよう。あなたがたは知らないがアッラーは知っておられる。


20.アッラーの恩恵があなたがたの上になく,慈悲もなかったならば(どうであろう)。本当に


アッラーは親切極・なく慈悲深い方である。


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21.信仰する者たちよ,悪魔の歩・に従ってはならない。あなたがたがもし悪魔の歩・に従うな


らば,かれは必ず醜行と悪事をあなたがたに命じるであろう。もしあなたがたに対し,アッラー


の恩恵と慈悲がなかったならば,あなたがたの中一人も純潔になれなかったであろう。だがアッ


ラーは,御心に叶う者を清められる。アッラーは全聴にして全知であられる。


22.あなたがたの中,恩恵を与えられ富裕で能力ある者には,その近親や,貧者とアッラーの道


のため移住した者たちのために喜捨しないと,誓わせてはならない。かれらを許し大目に見てや


るがいい。アッラーがあなたがたを赦されることを望まないのか。本当にアッラーは寛容にして


慈悲深くあられる。


23.無分別に貞節な信者の女を中傷する者は,現世でも来世でもきっと呪われよう。かれらは厳


しい懲罰を受けるであろう。


24.その日,かれらの舌と手と足は,その行ったことに就いてかれらに(不利な)立証をする。


25.その日アッラーは,かれらが受けるべき応報を(凡て)払い戻され,かれらは,アッラーが


真理であり,(凡てのことを)明瞭になされることを,知るであろう。


26.不浄な女は不浄な男に,また不浄な男は不浄な女に(相応しい)。純潔な女は純潔な男に,


また純潔な男は純潔な女に(相応しい)。これらの者は,人びとの言うことに動じない。かれら


には,容赦と栄誉ある御恵・があろう。


27.あなたがた信者よ,許しを求めて,家族に挨拶するまでは,自分の家以外の住まいに入って


はならない。それはあなたがたのために善い。必ずあなたがたは留意するであろう。


28.もし家に誰もいないと分ったならば,許しがあるまで,それに入ってはならない。もし帰る


よう言われた時は帰れ。それはあなたがたのために一段と清廉である。アッラーはあなたがたの


行うことを知っておられる。


29.あなたがたに必需品が備えてある,住人のいない家に入ることは罪にならない。アッラーは


,あなたがたの現わすことも隠すことも知っておられる。


30.男の信者たちに言ってやるがいい。「(自分の係悠以外の婦人に対しては)かれらの視線を


低くし,貞潔を守れ。」それはかれらのために一段と清廉である。アッラーはかれらの行うこと


を熟知なされる。


31.信者の女たちに言ってやるがいい。かの女らの視線を低くし,貞淑を守れ。外に表われるも


のの外は,かの女らの美(や飾り)を目立たせてはならない。それからヴェイルをその胸の上に


垂れなさい。自分の夫または父の外は,かの女の美(や飾り)を表わしてはならない。なお夫の


父,自分の息子,夫の息子,また自分の兄弟,兄弟の息子,姉妹の息子または自分の女たち,自


分の右手に持つ奴隷,また性欲を持たない供回りの男,または女の体に意識をもたない幼児(の


外は)。またかの女らの隠れた飾りを知らせるため,その足(で地)を打ってはならない。あな


たがた信者よ,皆一緒に悔悟してアッラーに返れ。必ずあなたがたは成功するであろう。


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32.あなたがたの中独身の者,またあなたがたの奴隷の男と女で廉正な者は,結婚しなさい。か


れらがもし貧しければ,アッラーは恩恵により裕福にされよう。アッラーは寛恩深知であられる





33.結婚(の資金)が見つからない者は,アッラーの恩恵により,富むまで自制しなさい。また


あなたがたの右手が持つ者の中,(解放の証明)証書を求める者があって,あなたがたがかれら


の善良さを認めるならば,その証明を書きなさい。なおアッラーがあなたがたに与えられた資財


の一部をかれらに与えなさい。奴隷の娘たちが,貞操を守るよう願うならば,現世の果ない利得


を求めて醜業を強制してはならない。かの女らが仮令誰かに強制されたなら,アッラーがやさし


く罪を赦し,いたわって下さろう。


34.われは事物を明瞭にする印を下し,またあなたがた以前に過ぎ去った者たちの先例を示し,


主を畏れる者への訓戒とした。


35.アッラーは,天地の光である。かれの光を譬れば,燈を置いた,壁(巧?)のようなものである


。燈はガラスの中にある。ガラスは輝く星のよう。祝福されたオリーブの木に灯されている。(


その木は)東方(の産)でもなく,西方(の産)でもなく,この油は,火が凡んど触れないのに


光を放つ。光の上に光を添える。アッラーは御好・の者を,かれの御光に導かれる。アッラーは


人びとのために,比(輪?)を挙げられる。本当にアッラーは凡てのことを知っておられる。


36.(この燈は)アッラーの許しによって,建てられた家の中にあり,かれの御名がそこで唱え


られ,朝夕,そこでかれを讃えて唱念が行われる。


37.人びとは,交易や商品に惑わされないで,アッラーを念じ,礼拝の務めを守り,定めの喜捨


に怠りなく,かれらの恐れは心も目も転倒する日である。


38.アッラーはかれらの行った,最善のものに報われ,且つ恩恵により報奨を付け加えられる。


アッラーは御心に叶,者に,際限なく与える。


39.しかし信仰のない者は,そのすることなすこと,砂漠の中の蜃気楼のようなもので,渇き切


った者には水だと思われる。だがやってくれば何も見出せない。そこではアッラーの御前であり


,かれの勘定が払われることを知るであろう。アッラーは清算に迅速であられる。


40.また(不信者の状態は),深海の暗黒のようなもので,波がかれらを覆い,その上に(また


)波があり,その上を(更に)雲が覆っている。暗黒の上に暗黒が重なる。かれが手を差し伸べ


ても凡んどそれは見られない。アッラーが光を与えられない者には,光はない。


41.あなたは,天地の間の凡てのものが,アッラーを讃えるのを見ないのか。羽を拡げて飛ぶ鳥


もそうである。皆それぞれ礼拝と唱念を心得ている。アッラーはかれらの行っていることを知っ


ておられる。


42.天と地の大権はアッラーの有であり,アッラーに(凡てのものの)帰り所はあるのである。


43.あなたがたは見ないか。アッラーは雲を駆り,やがてそれを相い合わせ,さらに固まりにさ


れ,やがて慈雨が,その間から降るのを。また雹を含む,山(のような雲)を天から下し,かれ


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は,御好・の者をそれで撃ち,御好・の者を避けられる。稲妻の閃きは,本当に目を奪おうとす


る。


44.アッラーは夜と昼を次々に交替させる。本当にこれらの中には,見る目をもつ者への教訓が


ある。


45.またアッラーは,ありとあらゆる動物を水から創られた。そのあるものは,腹で這い,また


あるものは2本足で歩き,あるものは4つ足で歩く。アッラーは御望・のものを創られる。本当に


アッラーは何事につけ全能であられる。


46.われは明瞭な印の数々を下した。アッラーは御好・の者を正しい道に導かれる。


47.かれら(偽信者)は,「わたしたちはアッラーと使徒を信じ,服従する。」と言う。だがそ


の後,かれらの一部は背き去った。これらの者は(真の)信者ではない。


48.かれらの間は裁きのために,アッラーと使徒の前に呼び出されると,見なさい。一部の者は


回避する。


49.もし,かれらが正しいのなら,素直にかれの許にやって来るであろう。


50.かれらの心には病が宿っているのか,それとも疑いを抱いているのか。またはアッラーと使


徒が,かれらに対し不公平な扱いをすると恐れるのか。いや,かれらこそ不義者である。


51.本当の信者たちは,裁きのため,アッラーと使徒に呼び出されると,「畏まりました。従い


ます。」と言う。本当に,そのような人々こそ栄える者である。


52.アッラーと使徒に服従し,アッラーを畏れ,かれに自分の義務を尽くす者,そのような人々


こそ(最後の目的を)成就する者である。


53.かれら(偽信者)は,もしあなたが(出征を)命じたならば,必ず出て行くことをアッラー


に誓けて厳粛に誓う。言ってやるがいい。「誓わなくてもよい。恭順こそ道理に叶う。本当にア


ッラーはあなたがたの行うことを熟知なされる。」


54.言ってやるがいい。「アッラーに従い,使徒に従え。あなたがたがもし背き去るとしても,


かれにはかれの負わされた務めがあり,あなたがたにもあなたがたの負わされたものがある。だ


があなたがたがもしかれに従うならば,正しく導かれるであろう。使徒に課せられることは,只


明瞭に(啓示を)伝えるだけである。」


55.アッラーは,あなたがたの中C信仰して善い行いに勤しむ者には,あなたがた以前の者に継が


せたように,この大地を継がせることを約束なされた。そしてかれらのために,かれが選ばれる


ものを,かれらの揺ぎのない宗教となされ,かれらの恐怖(不安の生活)を,安心無事(の境遇


)に変えられる。かれらはわれに仕え,われに何ものをも配しない。だがそれ以後になお不信心


になる者こそは,主の掟に背く者である。


56.それで礼拝の務めを守り,定めの喜捨をなし,使徒に従え。そうすればあなたがたは,慈悲


にあずかるであろう。


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57.あなたは,不信心の者たちが地上で(アッラーの計画を)失敗させると考えてはならない。


かれらの住まいは業火である。何と悪い末路であることよ。


58.信仰する者よ,あなたがたの右手が所有する者と,あなたがたの女子たちの中未成年の者で


も,次の3つの場合は,(居間に入る時)あなたがたの許しを求めさせなさい。(即ち)早朝〔


ファジュル〕の礼拝の前,昼中の(暑さのため)脱衣をしている時,それから夜〔イシャー〕の


礼拝の後である。(これは)


あなたがたのための3度の素肌(裸)の時である。これらの(時刻の)外は,(許可を得ないで


)たがいに行き来してもあなたがたにもかれらにも,罪ではない。このようにアッラーは,あな


たがたのために印を解き明かされる。アッラーは全知にして英明であられる。


59.あなたがたの子供たちが成年に達する時は,それ以前にそうしてきたように,(入室に際し


)許しを求めさせなさい。このようにアッラーは,あなたがたのために印を解き明かされる。ア


ッラーは全知にして英明であられる。


60.結婚を望めない,産児期の過ぎた女は,その装飾をこれ見よがしに示さない限り,外衣を脱


いでも罪ではない。だが控え目にするのは,かの女らのために良い。アッラーは全聴にして全知


であられる。


61.盲人でも遠慮は要らない。また足の身障者でも遠慮は要らない。また病人でも遠慮は要らな


い。またあなたがた自身も,自分の家で食べても良く,父方の家でも母方の家でも,兄弟の家で


も,姉妹の家でも,父方のおじの家でもおばの家でも,母方のおじの家でも,母方のおばの家で


も,あなたがたが鍵を持っている(家でも),あなたがたの友人(の家でも)食べて良い。また


あなたがたは,一緒にまたは別々に食べても,咎めはない。それで家に入る時は,アッラーから


祝福された良い挨拶の言葉で,人びとに挨拶しなさい。このようにアッラーは,あなたがたのた


めに印を解き明かされる。必ずあなたがたは理解するであろう。


62.(真の)信者とは,アッラーとその使徒を(心から)信じ,ある要件で(人びとが)集まり


使徒と一緒にいる時,その許可を得るまでは立ち去らない者たちである。本当に何につけあなた


に許しを求める者こそは,アッラーとその使徒を信じる者である。かれらが自分の要件で,あな


たに許しを求める時には,良いと思う者は許し,かれらのためにアッラーの御赦しを請え。本当


にアッラーは寛容にして慈悲深くあられる。


63.あなたがたは使徒の呼びかけを,あなたがた相栗間の呼びかけのようにしてはならない。ア


ッラーはあなたがたの中,密かに抜け出す者を知っておられる。それで,かれ(アッラー)の命


令に違犯する者は試練が下り,または痛ましい懲罰が科せられるから,用心させなさい。


64.聞け,天と地の凡ての有はアッラーの有である。かれは,あなたがたのあるが儘を確と知っ


ておられる。かれらがかれの許に帰される日,かれはかれらの行ったことを,かれらに告げ知ら


せるであろう。アッラーは凡てのことをよく知っておられる。


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SURA 25.識別章 〔アル・フルカーン〕


慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において。


1.万民への警告者とするために,かれのしもベに識別を下された方に祝福あれ。


2.天と地の大権はかれの有である。かれは子をもうけられず,またその大権に(参与する)協力


者もなく,一切のものを倉u造して,規則正しく秩序づけられる。


3.だがかれらはかれの外に神々を立てるが,それらは何も創れないばかりか,それら自身創られ


たもので,自らを害することも益することも出来ず,また死も生も復活も,自由にならない。


4.だが不信心な者たちは言う。「これは,かれが作り上げた虚言に過ぎない。外の者たちが,か


れに協力したのである。」だが事はかれらこそ,無法と虚偽を(西?)したのである。


5.またかれらは言う。「昔の物語で,それをかれが書き下したのである。それを朝夕,口で言っ


て書き取らせたのである。」


6.言ってやるがいい。「これを下されたのは,天地の奥義を知っておられ,本当に寛容にして慈


悲深い方であられる。」


7.またかれらは言う。「これはどうした使徒だ。食べ物を食べ,町を歩き回るとは,どうして天


使が遣わされ,かれと一緒に警告者にならないのだろうか。


8.かれに(どうして)財宝が授けられないのか,また(いくらでも)食べられる果樹園を持たな


いのだろうか。」不義の徒たちはな姑,「あなたがたは,(憲?)かれた者に従うだけのことであ


る。」と言う。


9.かれらが,どんな譬を,あなたのために持ち出したかを見なさい。それでかれらは迷ってしま


って,道を見出せない。


10.かれが望まれるならば,それより優れたものを,あなたに与えることの出来る方。川が下を


流れる楽園,そして宮殿をあなたに与える御方に祝福あれ。


11.にも拘らず,かれらは(審判の)時を虚偽であるとする。われは,その時を虚偽であるとす


る者に対し,燃え盛る火を用意している。


12.遙かに離れた所から見る時,かれらはその怒声と咆哮を聞くであろう。


13.かれらが縛られて火獄の狭い所に投げ込まれる時,(いっそ)そこで,滅びて仕舞うことを


嘆願するであろう。


14.(その時,言われよう。)「今日,一度に滅亡を嘆願してもだめである。あなたがたは度々


繰り返す滅亡でも嘆願するがいい。」


15.言ってやるがいい。「この(火獄)が良いか,それとも主を畏れる者に約束される永遠の楽


園か。これが,かれらへの報奨であり行き着くところである。


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16.そこには,その望む凡てのものがある。永遠の住・かなのである。これはあなたがたが念願


する,主からの約束である。」


17.かれらそしてアッラー以外に仕えるものたちを一緒に召集なされる日,かれは仰せられよう


。「これらわれのしもべたちを迷わせたのはあなたがたであるのか。それともかれらが(自ら)


道を踏・外したのか。」


18.かれらは言う。「あなたに讃えあれ,あなたの外に守護者を崇めることは,わたしたちに相


応しくありません。だがあなたは,かれらとその祖先に(現世での)享楽を許され訓戒を忘れて


破滅の民とな閧ワした。」


19.(主は仰せられよう。)


「今かれらは,あなたがたの言ったことを嘘である。と立証した。それであなたがたは(懲罰を


)免れられず,また助けも(得られ)ない。われは,あなたがたの中,悪を行う者に,懲罰を味


わせるであろう。


20.あなた以前にわれが遣わした使徒たちは,一人として食べ物を食べない者はなく,町を歩き


回らない者はなかった。われはあなたがたをお栗いの試練となるように取り計らった。」それで


あなたがたは耐え忍ぶであろうか。あなたの主は,(凡てのことを)照覧なされる。


21.われとの(審判のための)会見を望まない者は言う。「何故天使がわたしたちに下されない


のか。また(何故)わたしたちの主が,目の前に見えないのであろうか。」かれらは本当に自惚


れて高慢であり,また非常に横柄な態度をとったのである。


22.かれらが天使を見る日,罪人にとって,喜びのない日である。かれら(天使)は言うであろ


う。「(あなたがたには)禁じられている,遠ざかれ。」


23.われはかれらの行ったことに報いて,それを塵のようにまき散らすであろう。


24.楽園の仲間はその日,素晴しい住まいに落ち着いて,快い昼寝所にいよう。


25.その日,天は雲と共に裂け,天使たちが遣わされ(大挙して)下ろ。


26.その日,真の大権は,慈悲深き御方に属する。不信者にとっては,多難の日である。


27.その日,悪を行った者は,(しまったと,)その手を(噛?)・,言うであろう。「ああ,わた


しがもし使徒と共に(正しい)道を選んでいたならば。


28.ああ,情けない,わたしがあんなものを友としなかったならば。


29.本当にかれは,訓戒が下った後にわたしを迷わせたのです。悪魔は常に人間を裏切ります。





30.使徒は言う。「主よ,本当にわたしの人びとは,このクルアーンを忌むべきものとして拒否


します。」


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31.われはこのように,それぞれの預言者に,罪深き者たちの中から敵を創る。だが指導者,援


助者としてはあなたの主だけで十分である。


32.また信仰しない者は,「クルアーンは何故一度に全巻が下されないのですか。」と言う。こ


うするのは,われがあなたの心を堅固にするため,よく整えて順序よく復誦させるためである。


33.また,かれらが譬を,あなたに持ち出してくる度に真理と最善の解釈(の手掛り)をあなた


に与えるためである。


34.顔を俯けて地獄に集められる者,これらは最悪の境地におかれる,酪く道に迷った者である





35.(これより先)われはムーサーに啓典を授け,その兄弟ハールーンを挙げてかれの補助者と


した。


36.われはその時(命じて)言った。「あなたがた両人は,わが印を拒否する民の許に行け。」


それでわれは,かれらを徹底的に懲しめて壊滅した。


37.またヌーフの民は使徒を拒否したので,われはかれらを溺れさせて,人びとへの印とした。


われは悪を行う者のために,痛ましい懲罰を準備している。


38.またアードとサムードとラッスの住民たち,そしてその間の幾世代。


39.われはそれぞれの民に実例をもって警告し,また(その罪に対し)それぞれを徹底的に壊滅


した。


40.かれら(不信者)は,災の雨をどっと降らされた町を,度々訪れている。かれらはそれを見


なかったのか,いや,かれらは復活の日など思いもよらなかったのである。


41.かれらがあなたを見る時,只冷笑の的にするだけである。(そして言う。)「アッラーが,


使徒として遣わされたのは,この者であるのか。


42.もしわたしたちが神々に対し,確りしていなかったならば,かれは危うくそれから惑わし伝


来の神々を見捨てるところであった。」だが,やがて懲罰を見る時,誰が,最も道に迷ったかが


分るであろう。


43.あなたは自分の思惑を,神として(思い込む)者を見たのか。あなたはかれらの守護者にな


るつもりなのか。


44.それともかれらの多くは耳を傾け,または悟るとでも思っているのか。かれらは家畜のよう


なものに過ぎない。いや,それよりも道から迷っている。


45.主は如何に影を広げられたか,あなたは見なかったのか。もしかれが御望・ならば,それを


静止した儘にされよう。それからわれは,太陽をその案内役とした。


46.そこでわれは,緩やかな足取でわれの方に引き寄せる。


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47.かれこそは,あなたがたのために夜をとばりとされ,睡眠して休息させ,昼間を甦り(の時


)となされた御方である。


48.またかれこそは,その慈雨を降らす前に,吉報の風を吹き起こす御方である。そしてわれは


,天から清浄な雨を降らす。


49.われはそれで死んだ大地に生命を与え,またわれが創った無数の家畜や人間に飲ませてやる





50.われはかれらが気付くように,かれらの間でこれを繰り返し(て解明し)た。だが大多数の


人間は,ただ拒むだけであった。


51.われがもし望むならば,どの町にも警告者を1人づつ遣わしたであろう。


52.だから不信者に従ってはならない。かれらに対しこの(クルアーン)をもって大いに奮闘努


力しなさい。


53.かれこそは,二つの海を分け隔てられた御方である。一つは甘くして旨い,外は塩辛くして


苦い。両者の間に障壁を蝕け,完全に分離なされた。


54.かれこそは,水から人間を創り,血統による親族と婚姻の関係を定められた方。本当にあな


たの主は全能であられる。


55.だがかれらはアッラーを差し置いて無益無害の者に仕える。本当に不信者は,自分の主に反


抗するもの(悪魔)の援助者である。


56.われは,只吉報の伝達者,また警告者としてあなたを遣わしただけである。


57.言ってやるがいい。「わたしはこれに対し,あなたがたに何の報酬も求めない。誰もが,主


への(正しい)道を望めばよい」


58.死ぬことのない永生者を信頼して,かれを讃えて唱念しなさい。かれは,しもべたちの凡て


の罪を完全に熟知される。


59.かれは,天と地そしてその間にある凡てのものを,6日の間に創造し,それから玉座に鎮座な


される慈悲深き御方であられる。だからかれに就いて熟知する者に問え。


60.だがかれらが,「慈悲深き御方にサジダしなさい。」と言われると,かれらは言う。「慈悲


深き御方とは何ですか。わたしたちはあなたの命じるものにサジダするのですか。」と,却って


(真理からの)逃避を増すばかり。〔サジダ〕


61.天に諸星座を配置し,その間に太陽と照らす月を置かれた御方に,祝福あれ。


62.かれこそは,反省し,感謝しようとする者のために夜と昼を蝕け,交替させた方である。


63.慈悲深き御方のしもべたちは,謙虚に地上を歩く宕,また無知の徒(多神教徒)が話しかけ


ても,「平安あれ。」と(挨拶して)言う者である。


64.また主の御前にサジダ(または)起立して,夜を過す者。


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65.また,「主よ,地獄の懲罰をわたしたちから追払って下さい。本当にあの懲罰は,苦し・の


極・です。


66.本当にそれは悪い住まいであり,悪い休・所です。」と言う者である。


67.また(財迂を)使う際に浪費しない者,また吝嗇でもなく,よくその中間を保つ者。


68.アッラーとならべて,外のどんな神にも祈らない者,正当な理由がない限り,アッラーが禁


じられた殺生を犯すことなく,また姦婬しない者である。だが凡そそんなことをする者は,懲罰


される。


69.復活の日には懲罰は(罪に応じ)倍加され,その(地獄で)屈辱の中に永遠に住むであろう





70.悔悟して信仰し,善行に励む者は別である。アッラーはこれらの者の,いろいろな非行を変


えて善行にされる。アッラーは寛容にして慈悲深くあられる。


71.悔悟して善行に勤しむ者は,本気でアッラーに悔いている者である。


72.嘘の証言をしない者,また無駄話をしている側を通る時も自重して通り過ぎる者。


73.また話題が主の印に及べば聾(唖?)者か盲人であるかのように,戯らに知らないふりをしない


者。


74.そして,「主よ,心の慰めとなる妻と子孫をわたしたちに与え,主を畏れる者の模範にして


下さい。」と(祈って)言う者。


75.これらの者は,その耐え忍んだことにより高い階位の住まいをもって(楽園の中に)報われ


よう。またそこで歓迎と挨拶の言葉をもって迎えられよう。


76.そこに永遠に住むのである。何とよい住まい,何とよい休・所であることよ。


77.(不信者に)言ってやるがいい。「あなたがたがわたしの主に祈らないなら,かれはあなた


がたを,構って下さらないであろう。あなたがたは本当に(主を)嘘つき呼ばわりしたが,やが


て免れられない(懲罰が)下るであろう。」


SURA 26.詩人たち章 〔アッ・シュアラーゥ〕


慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において。


1.ター・スィーン・ミーム。


2.これは明瞭な啓典の印である。


3.かれらが信者になろうとしないため,あなたは多分,死ぬ程苦悩していることであろう。


4.もしわれがそのつもりとなり,天から印を下せば,かれらはそれに恐れ入って謙虚になるであ


ろう。


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5.だが,慈悲深き御方からかれらに新しい訓戒が(時?)される度に,かれらはいつも背き去る





6.かれらは(それを)嘘であるとする。だが今にその愚弄することが,其実となって,かれらに


降りかかるのである。


7.かれらは,かの大地を見ないのか。如何に多くの,凡ての尊いものを,われはそこで育てるか


を。


8.本当にその中には,一つの印がある。だがかれらの多くは信じない。


9.本当にあなたの主,かれは偉力ならびなく慈悲深い御方である。


10.あなたの主がムーサーに呼びかけ,こう仰せられた時を思いなさい。「不法な民の許に行け





11.フィルアウンの民の許に。かれらは主を畏れないのか。」


12.かれは申し上げた。「わたしの主よ,かれらがわたしを(蟻?)付き呼ばわりすることを恐れま


す。


13.わたしの胸は圧迫され,またわたしの舌は(艇?)れます。ですからハールーンを,遺わし(助


け)て下さい。


14.また(その上)かれらは,わたしに罪を科しているので,わたしを殺すのを恐れます。」


15.かれは仰せられた。「決してそうではない。あなたがた両人は,わが印を持って行け。本当


にわれは,あなたがたと一緒にいて,聞いているのである。


16.それであなたがた両人は,フィルアウンの許に行って言ってやるがいい。『わたしたちは,


万有の主から遣わされた使徒であるから,


17.イスラエルの子孫を,わたしたちと一緒に行かせて下さい』と。」


18.かれは言った。「あなたは幼少の時,わたしたちの間で育てられたではないか。あなたの生


涯の多くの年月を,わたしたちの間で過ごしたではないか。


19.それなのにあなたは酪いことをしでかしたものだ。あなたは恩を忘れる者の仲間である。」


20.かれ(ムーサー)は言った。「わたしが,それを行ったのは邪道に踏・迷っていた時のこと


である。


21.それでわたしは恐ろしくなって,あなたがたから逃げだした。だが,主はわたしに知識を授


けて,使徒の一人となされたのである。


22.あなたはイスラエルの子孫を奴隷としておきながら,それがわたしに好意を示す恩恵である


とでもいうのですか。」


23.フィルアウンは言った。「万有の主とは,何ですか。」


227


24.かれ(ムーサー)は言った。「天と地,そしてその間の凡ての有の主であられます。あなた


がたがもし(これを)悟ったならば。」


25.かれ(フィルアウン)は,左右の者に向かって言った。「あなたがたは聞きましたか。」


26.かれ(ムーサー)は言った。「あなたがたの主,また昔からのあなたがたの祖先の主でもあ


られます。」


27.かれ(フィルアウンは左右の者に)言った。「あなたがたに遣わされたこの使徒は,本当に


気違いです。」


28.かれ(ムーサー)は言った。「東と西,またその間にある万有の主であられます。あなたが


たがもし理解するのであれば。」


29.かれ(フィルアウン)は言った。「あなたが,もしわたし以外に神を立てるならば,わたし


は必ずあなたを囚人にするでしょう。」


30.かれ(ムーサー)は言った。「わたしがもし,明白な何物かを,あなたに(有?)してもで


すか。」


31.かれ(フィルアウン)は言った。「あなたの言うことが本当なら,それを示しなさい。」


32.それで(ムーサー)は杖を投げた。見るがいい。それは明らかに蛇となる。


33.またかれの手を差し伸べると,見るがいい。それは誰が見ても真っ白である。


34.かれ(フィルアウン)は左右の長老たちに言った。「本当にこれは,老練な魔術師である。


35.かれはその魔術で,あなたがたをこの国から追い出そうとしている。それであなたがたはど


うしようというのか。」


36.かれらは言った。「(久しく)かれとその兄弟を待機させ,使いの者を諸都市に遺わし,


37.凡ての老練な魔術師をあなたの許に召し出されよ。」


38.そこで魔術師たちは,決められた日の決められた時刻に集められた。


39.また民衆に向かっても,「あなたがたは(全部)集合したのか。」と告げられた。


40.(人びとは言う。)「魔術師の方が勝てば,わたしたちはかれら(の教え)に従おうではな


いですか。」


41.魔術師たちはやって来るなり,フィルアウンに言った。「わたしたちが勝てば,必ず褒美が


あるでしょうか。」


42.かれ(フィルアウン)は言った。「勿論である。その場合あなたがたは,必ず側近となろう


。」


43.ムーサーはかれらに向かって言った。「あなたがたの投げるものを,投げなさい。」


228


44.そこでかれらは,縄と杖を投げて言った。「フィルアウンの御威光に誓けて,わたしたちは


必ず勝利者になろう。」


45.その時ムーサーが杖を投げると,見るがいい。それはかれらの捏造したものを,呑・込んで


しまった。


46.そこで魔術師たちは,さっと伏しサジダして,


47.言った。「わたしたちは,万有の主を信じます。


48.ムーサーとハールーンの主を。」


49.かれ(フィルアウン)は言った。「あなたがたは,わたしの許しも得ないうちにかれを信じ


るのか。きっとかれは,あなたがたに魔術を教えた,あなたがたの首長であろう。だが,やがて


思い知るであろう。わたしは必ずあなたがたの手と足を栗い違いに切断し,あなたがたを,凡て


磔の刑にするであろう。」


50.かれらは言った。「構いません。わたしたちは,自分の主の許に帰るだけですから。


51.わたしたちの願いは,只主が,わたしたちの数々の過ちを赦され,わたしたちが信者たちの


先がけになることです。」


52.われはムーサーに,「わがしもべたちと一緒に,夜の間に旅立て。あなたがたは必ず追手が


かかるであろう。」と啓示した。


53.その時フィルアウンは,使いの者を諸都市に遣わし,


54.(言わせた)「これらの者は,ほんの少数の群れに過ぎないのです。


55.かれらは,わたしたちに腹を立てているでしょうが,


56.わたしたちは,警戒を整え,軍勢も多いのです。」


57.それでわれは,かれらを果樹園や泉から追い出し,


58.財宝や栄誉ある地位から追放した。


59.そんな次第であった。そしてわれはイスラエルの子孫たちに,これらのものを(外の所で)


継がせた。


60.さてかれら(フィルアウンの軍勢)は日の出の時,かれらを追って来た。


61.両者が栗いに姿が見えるようになると,ムーサーの仲間は言った。「わたしたちは,必ず追


いつかれるであろう。」


62.かれ(ムーサー)は言った。「決して,決して。本当に主はわたしと共におられます。直ぐ


に御導きがあるでしょう。」


63.その時,われはムーサーに啓示した。「あなたの杖で海を打て。」するとそれは分れたが,


それぞれの割れた部分は巨大な山のようであった。


229


64.われはまた,外の群をそこに誘き込んだ。


65.そしてわれは,ムーサーそしてかれと共にいた人びと凡てを救った。


66.だが他の者たちを,溺れさせた。


67.本当にこの中には,一つの印がある。だがかれらの多くは信じない。


68.本当にあなたの主は偉力ならびなく慈悲深くあられる。


69.イブラーヒームの物語をかれらに語りなさい.


70.かれが父親とかれの人びとに向かって,「あなたがたは何を崇拝するのですか。」と言った


時を思い起しなさい。


71.かれらは言った。「わたしたちは偶像を崇拝し,いつもこれに仕えるのです。」


72.かれは言った。「あなたがたが祈る時かれら(偶像)は聞くのか。


73.またかれら(偶像)は,あなたがたを益するのですか,それとも害するのですか。」


74.かれらは言った。「いや,わたしたちの祖先が,こうしているのを見たのです。」


75.かれは言った。「それならあなたがたは,あなたがたが今迄崇拝してきたものに就いて考え


て・たのですか。


76.あなたがたも,昔の祖先たちも(崇拝していたものに就いて)。


77.万有の主を除いては,かれらはわたしの敵です。


78.かれはわたしを創られた方で,わたしを導かれ,


79.わたしに食料を支給し,また飲料を授けられた御方。


80.また病気になれば,かれはわたしを癒して下さいます。


81.わたしを死なせ,それから生き返らせられる御方。


82.審判の日には,罪過を御赦し下されるよう,わたしが願い望む方である。


83.主よ,英知をわたしに授け,正しい者たちの仲間に入れて下さい。


84.わたしを後々の世まで真実を伝えた者として下さい。


85.わたしを至福の園を継ぐ者になされ,


86.わたしの父を御赦し下さい。本当にかれは迷った者の仲間ですが。


87.また(人びとが)復活させられる日に,わたしの面目を失わせないで下さい。


88.その日には,財宝も息子たちも,役立ちません。


89.ただ汚れのない心を,アッラーに棒げる者だけは別ですが。」


90.楽園は,主を畏れる者に近付けられ,


230


91.邪道に迷った者には,火獄が現われよう。


92.そしてかれらは言われよう。「あなたがたが,崇めていた(神々)は何処にいるのですか。


93.アッラーを外にして(拝していたもの)はあなたがたを助けられるのですか,または自分自


身を助けられるのですか。」


94.そこでかれらも誘惑した者たちも,その中に投げ込まれる。


95.またイブリース(悪魔)の軍勢も全部一緒に。


96.かれらはそこで,口論して言うであろう。


97.「アッラーに誓って言います。わたしたちは明らかに誤っていたのです。


98.万有の主と同位に,あなたがたを配したのですから。


99.わたしたちを迷わせたのは,罪深い者たちに外ならない。


100.それでわたしたちには,誰も執り成す者もなく,


101.一人の真の友もないのです。


102.わたしたちがもう一度返ることが出来るなら,本当に信者の仲間に入るのですが。」


103.本当にこの中には,一つの印がある。だがかれらの多くは信じない。


104.本当にあなたの主は偉力ならびなく慈悲深くあられる。


105.ヌーフの民も,使徒たちを信じなかった。


106.かれらの同胞のヌーフが,かれらに言った時を思い起しなさい。「あなたがたは,主を畏れ


ないのですか。


107.本当にわたしは,あなたがたへの誠実な使徒です。


108.それでアッラーを畏れ,わたしに従いなさい。


109.わたしは,それに対しあなたがたに報酬を求めません。わたしへの報酬は,只万有の主から


(いただく)だけです。


110.だからアッラーを畏れ,わたしに従いなさい。」


111.かれらは言った。「最も卑しい者たちがあなたに従っているというのに,わたしたちまであ


なたを信じるのですか。」


112.かれ(ヌーフ)は言った。「かれらが行っていることに就いて,わたしが何を知りましょう


か。


113.かれらの清算は,只わたしの主に属するのです。もしあなたがたが理解するならば。


114.またわたしは,信仰する者たちを追い払いません。


231


115.わたしは公明な一人の警告者に過ぎないのです。」


116.かれらは言った。「あなたが止めないなら,ヌーフよ,必ず石打ちにされるでしょう。」


117.かれは(祈って)言った。「主よ,本当にわたしの民はわたしを嘘付きであると申します。


118.それでわたしとかれらの間を,確り御裁き下され,わたしと,わたしと一緒の信者たちを救


って下さい。」


119.そこでわれはかれと,かれと一緒の者たちを,満戦した舟の中に救ってやった。


120.それからわれは後に残った者たちを溺れさせた。


121.本当にこの中には,一つの印がある。だがかれらの多くは信じない。


122.本当にあなたの主,かれは偉力ならびなく慈悲深くあられる


123.アード(の民)も,使徒たちを嘘付きであるとした。


124.かれらの同胞のフードがかれらに言った時を思い起せ。「あなたがたは主を畏れないのです


か。


125.本当にわたしは,あなたがたへの誠実な使徒です。


126.だからアッラーを畏れ,わたしに従いなさい。


127.またわたしは,このことであなたがたに報酬を求めません。わたしへの報酬は,只万有の主


から(いただく)だけです。


128.あなたがたは高地という高地に悪戯に碑を建てるのですか。


129.またあなたがたは(永遠に)住もうとして,堅固な高楼を建てるのですか。


130.あなたがたは暴力を振う時,暴虐者のように振舞うのですか。


131.アッラーを畏れ,わたしに従いなさい。


132.あなたがたが知る程のものを,授けられる方を畏れなさい。


133.かれは数々の家畜と子孫を,あなたがたに授けられ,


134.また果樹園や泉をも授けられた。


135.わたしはあなたがたに加えられる偉大な日の懲罰を本当に恐れる。」


136.かれらは言った。「あなたが説教しても説教しなくても,わたしたちにとっては同じことで


す。


137.本当にこれは,昔のやり方に外なりません。


138.わたしたちは懲罰されないのです。」


232


139.かれらは,かれを嘘付きであるとした。そこでわれはかれらを滅ぼした。本当にこの中には


,一つの印がある。だがかれらの多くは信じない。


140.本当にあなたの主は偉力ならびなく慈悲深い御方であられる。


141.サムード(の民)も,使徒たちを嘘付きであるとした。


142.かれらの同胞サーリフが,かれらに言った時を思い起しなさい。「あなたがたは主を畏れな


いのですか。


143.本当にわたしは,あなたがたへの誠実な使徒です。


144.だからアッラーを畏れわたしに従いなさい。


145.わたしはあなたがたにこのことで報酬を求めない。わたしへの報酬は,只万有の主から(い


ただく)だけです。


146.あなたがたはここで,いつまでも安泰でいられましょうか。


147.果樹園や泉,


148.穀物畑や,見事な若実を付けるナツメヤシの園,


149.また(岩)山に,あなたがたが巧・に家を切り穿っても(安泰であり得ようか)。


150.だからアッラーを畏れ,わたしに従いなさい。


151.あなたがたは,無法な常軌を逸した者の命令に,従ってはなりません。


152.かれらは地上に危害を引き起す者で,(悪弊を)矯正する者ではありません。」


153.かれらは言った。「あなたは(ほ?)かれた者に過ぎません。


154.あなたは,わたしたちと同じ一人の人間に過ぎません。あなたの言うのが本当なら,わたし


たちに印を(西?)しなさい。」


155.かれ(サーリフ)は言った。「ここに一頭の雌ラクダがいます。それにも水飲・日があり,


またあなたがたにも,(それぞれ)決められた水飲・日があります。


156.偉大な日の懲罰があなたがたを襲わないよう,それに害を加えてはなりません。」


157.だがかれらは,その腱を切って不具にし,たちまち後悔することになった。


158.それは懲罰がかれらを襲ったからである。本当にこの中には,一つの印がある。だがかれら


の多くは信じない。


159.本当にあなたの主は偉力ならびなく慈悲深い御方であられる。


160.ルートの民も使徒たちを嘘付きであるとした。


161.同胞ルートが,かれらに,「あなたがたは主を畏れないのですか。」と言った時を思い起し


なさい。


233


162.「本当にわたしは,あなたがたへの誠実な使徒です。


163.だからアッラーを畏れ,わたしに従いなさい。


164.わたしはあなたがたにこのことで報酬を求めません。わたしへの報酬は,誰々万有の主から


(いただく)だけです。


165.あなたがたは創造された者の中男だけに近付き,


166.主があなたがたのために創られた配偶者を顧・ないのですか。いや,あなたがたは罪を犯す


者です。」


167.かれらは(答えて)言った。「いい加減止めないなら,ルートよ,あなたは必ず追放される


でしょう。」


168.かれ(ルートは)言った。「わたしは,本当にあなたがたの行いを忌・嫌っています。


169.主よ,わたしとわたしの家族を,かれらの所業から御救い下さい。」


170.それでわれは,かれとかれの家族を凡て救った。


171.後に残った,老女(ルートの妻)は別であったが。


172.それから,われは外の者を滅ぼした。


173.われは,(石の)雨をかれらの上に降らせた。警告されていた者たちには,災厄の雨であっ


た。


174.本当にこの中には,一つの印がある。だがかれらの多くは信じない。


175.本当にあなたの主は偉力ならびなき慈悲深き御方であられる。


176.森の人びとも使徒たちを嘘付きであるとした。


177.シュアイブがかれらに,「あなたがたは主を畏れないのですか。」と言った時を思い起しな


さい。


178.かれ(シュアイブ)は言った。「本当にわたしは,あなたがたへの誠実な使徒です。


179.だからアッラーを畏れ,わたしに従いなさい。


180.わたしはあなたがたにこのことで報酬を求めない。わたしへの報酬は,唯々万有の主から(


いただく)だけです。


181.計量を十分に与え,損をさせてはなりません。


182.正確な汗で計り,


183.他人のものを詐取してはなりません。また迷惑を及ぼす行いをして,地上を退廃させてはな


りません。


184.あなたがたと前の世代の者たちを創られた方,かれを畏れなさい。」


234


185.するとかれらは言った。「あなたは(思?)かれた者に過ぎません。


186.あなたはわたしたちと同じ一人の人間に過ぎません。どう考えてもあなたは虚言の徒です。


187.あなたの言うことが真実なら,天の一角をわたしたちの上に落としなさい。」


188.かれ(シュアイブ)は言った。「わたしの主は,あなたがたのすることをよく知っておられ


ます。」


189.だがかれらはかれを嘘付きであるとした。それであの陰惨な日の懲罰がかれらを襲った。そ


れは本当に厳しい懲罰の日であった。


190.本当にこの中には,一つの印がある。だがかれらの多くは信じない。


191.本当にあなたの主は偉力ならびなく慈悲深い御方であられる。


192.本当にこの(クルアーン)は,万有の主からの啓示である。


193.誠実な聖霊がそれをたずさえ,


194.あなたの心に(下した)。それであなたは警告者の1人となるために,


195.明瞭なアラビアの言葉で(下されたのである)。


196.このことは,既に昔の啓典の中に記されている。


197.イスラエルの子孫の学者たちがこれを知っていることは,かれら(マッカの多神教徒)にと


って,一つの印ではないのか。


198.われが,もしこれをアラブ以外の誰かに啓示したならば,


199.かれがそれを読誦しても,人びとはそれを信じなかったであろう。


200.このように,われは罪深い者たちの心の中に,それ(啓示の一部)を入らせた。


201.それでもかれらは痛ましい懲罰を見るまでは,この(クルアーン)を信じないであろう。


202.だがその(懲罰)は,かれらの気付かない中に突然襲いかかるであろう。


203.その時かれらは,「わたしたちは猶予されないのですか」と言おう。


204.それでもかれらは,われの懲罰を急がせようというのか。


205.あなたはどう思うのか,われがかれらに幾年間も(の現世の生活を)享楽させても,


206.なお,かれらに約束されたこと(天罰)が来るとすれば,


207.享楽させてもらったことが,かれらにとり何の益になろうか。


208.われは警告者を(前もって)遣わさずに何如なる町も滅ぼさなかった。


209.(また)気付かせ(た後で)なければ。われは決して不当なことを行うものではない。


210.また悪魔たちがこれ(啓示)を(湾?)すこともないのである。


235


211.それはかれらに相応しいものでもなく,またかれらには(そんな)能力もない。


212.かれらは,啓示を聞くことから遠ざけられている。


213.それでアッラーと一緒に,外のどんな神にも祈ってはならない。さもないとあなたも懲罰さ


れる者の仲間となろう。


214.あなたの近親者に誓告しなさい。


215.またあなたに従って信仰する者には,(愛の)翼を優しく下げてやりなさい。


216.かれらがあなたに従わないなら,「あなたがたが行うことは,わたしに関わりはありません


。」と言ってやるがいい。


217.偉力ならびなく慈悲深き御方に(後は)御任せしなさい。


218.あなたが(礼拝に)立つのを見ておられる方に,


219.またサジダする者たちの間での,あなたの諸動作を(も見ておられる方に)。


220.本当にかれは全聴にして全知であられる。


221.われは,悪魔たちが誰の上に下るのかあなたがたに告げようか。


222.かれらは,凡ての嘘付きの徒の上に下る。


223.(悪魔の話に)耳を選す(者)の多くは嘘付きの徒である。


224.また詩人たちのことだが,(悪魔に)唆かされた者たち(だけ)が,かれらに従う。


225.あなたは,かれらが凡ての谷間をさ迷い歩くのを見なかったのか。


226.またかれらは,自分の行いもしないことを口にするではないか。


227.信仰して善行に動しむ者,またアッラーを多く唱念し,迫害された後には自らを守る者は別


である。不義を行った者たちは,どんな変り方で,移り変っていくかを,やがて知ることになろ



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